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日本経済 予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方 (PHPビジネス新書)

日本経済 予言の書  2020年代、不安な未来の読み解き方 (PHPビジネス新書)の写真

・世界各国で経済打撃と疫病の被害の折り合いをどうつけるかが大きな悩みの種になる、コロナショックは治療法が無いという制約から、2021年までの2年間続く災厄と予言される、冬に流行があるとすれば(実際に起きています)日本企業にとって2020年のビジネスチャンスは7月から10月までの正味4ヶ月しか無い、そして再流行が11月から翌5月まで起きる(p31)

・接触がなければ感染者のウイルスは他の人には感染しないまま、体内で自然治癒され壊滅するか、ないしは宿主を死に至らしめるか、どちらにしても拡散せずに死滅する。疫学的には非常に正しい対処法を中国政府は徹底した(p40)

・感染拡大を防ぐために本当に必要なデータは、オフィスへの出勤がどれだけ減っているかの数字である、最大の「密」は職場や通勤電車にある(p47)

・筆者の予想する「モデル2」は、売上高営業利益率が8%からマイナス8%へ下落する前提で、リーマンショック(9%からマイナス2%)よりもさらにひどい業績悪化を想定している。この場合、日経平均は1万8700円が理論値(2020年4月、1万9000円)となる、2020年に1株当たりマイナス1700円、2021年には収支はトントン、2022年にようやく経済が元の水準に回復(年間1700円の利益)して、それが12年間続くという予想になる(p65)

・コロナの影響にもかかわらず2020年3月期に過去最高水準を上げるであろうトヨタが「2030年には衰退する」ことが予言できる(p92)デジタルカメラとフィルムメーカの関係が参考になる。1995年に最高益を出した富士フイルムはデジカメ登場から10年で衰退、世界のフィルム産業は15年で消滅した。(p92)

・トヨタが危機を迎える要因は2つのテクノロジー進化にある、1)電気自動車への移行の潮流、2)自動運転技術の実用化、にある(p104)今まではエンジンを開発できない企業は自動車を発売できなかったが、電気自動車はぶひんを購入してきて独自設計しても自動車が出来上がってしまう、中国には60社もの新興電気自動車メーカが誕生している(p104)

・自動運転車のコア機能である人工知能の開発に、トヨタよりもずっと資本力に優れたAI,企業が次々と参入している、それらの企業がトヨタよりも先に品質的に優れた自動運転の人工知能を外販したとしたら、1980年代のパソコン業界に起きたのと同じ状況が繰り返される。垂直統合型のハードウェアからソフトウェア、周辺機器まで開発していたIBMが強かった。ところが、パソコンを発売する際に、IBMがOSをマイクロソフト、CPUをインテルから外販してもらう決定をした途端、誰でもIBM互換パソコンが販売できるようになった、これは水平分業型産業へ変貌したことになる(p106)

・電気自動車に自動運転機能が搭載される時代には、コアぶひんであるAIと全個体電池を購入すれば、どの企業でもハイエンドな自動車を設計できるようになる。これはパソコン業界のように変わり、ホームセンターや家電量販店で中国の新興メーカに製造委託した自動車が売られる時代がやってくる。(p107)

・日本の自動車メーカは、日本では白たくとライドシェアを同一視するというタクシー業界からの反発もあり、C(コネクテッド)とS(シェアリング)には実際には力を入れられない。さらに、A(自動運転)とE(EV化)では競合障壁を壊され、活路であるCとSについてはグローバルIT企業ほど力を入れられない。これが日本の自動車産業が世界的に衰退していくという未来予測の根拠がある(p110)

・テスラは、商品開発思想自体がCASEを見据えている。自動運転のためのAIやソフトウェアは、ダウンロードによってアップグレードが可能な設計となっている。充電池も交換すれば新型と同じ性能になる。日本車は新商品が誕生した途端に過去の製品が陳腐化するスタンドアローンの設計思想である(p111)

・2020年代を通じて自動車業界はハードウェアを販売するメーカの収益が下がって行き、部品メーカの方が収益性が高くなるという構造へと変化する(p127)

・トヨタが衰退すると決まっている最大の根拠は、トヨタが戦略な資源配分をできない会社であるから。今までは日産やホンダと戦っていれば良かったが、2012年に深層学習が実用化されてITの世界がAIの世界に変質したことで、ライバルがグーグル、アマゾンと行ったAI企業となった。彼らの研究開発費がトヨタの倍であり、ほぼ全額をAI研究に注いているが、トヨタは1兆1000おくえんの一部しか注げない(p133)2030年のトヨタは2020年のソニーのスマートフォン事業のような苦しい地位になると予測される(p135)

・東京は地球温暖化による水害対策が最も進んでいる先進地域である、その根拠の一つは、地下神殿と言われる、首都圏外郭放水路にある。国道16号線直下に貯水池がある、地下50m長さ6.3Km、これがフル活動したのは、2015年鬼怒川が氾濫した関東・東北豪雨に続いて、2019年が二度目であった(p149)

・アマゾンの配送コストが業界の中でものすごく低い、宅配費用が値上げされても低いのは、トヨタを真似て物流面の改善を何年も続けてきたから(p168)この行き着く先は、リアル小売店の販売コストよりもインターネット通販のコストが低くなることで起きる、既存小売店の衰退と消滅である(p172)売上が3割、もしくは10%減少が3年続くと、利益が出なくなる(p173)

・小売業をやるよりも、小売業者からお金を得るビジネスをやっている部門の方が儲かるようになる。一番収益性が高い小売業態が、セブンイレブンの本部であるように。(p181)

・ネット通販に食われやすい買い物は、1)買い物自体が楽しくない買い物(靴下、肌着の補充、プリンタ用紙、インクなど)、2)滅多に買わない、金額は数千円程度(p183)3)自動車、住宅など、高額でアマゾン
で扱いにくいもの(p192)

・家電量販店が消え、ホームセンターが凋落し淘汰、アパレル業界が衰退、GMS、食品スーパーも赤字基調となる(p202)

・コンビニの本部と加盟店の関係は、ウーバーイーツと同じで、企業と個人事業主の関係であり、従業員に対するような責任は発生しない。本部が厳しい要求をしていても、個人事業主が自分の判断で過重労働を行っているだけで本部には責任はない。一方で本部の意向に沿った営業ができないオーナーとの契約を打ち切る権利も保有している(p252)

・第一次世界大戦後のパリ、第二次世界大戦(1945−47年)の日本にはどちらも退廃と堕落の時代が訪れた、その原因はアノミー、つまりこれまで正しいと信じてきたイデオロギーが時代の中で通用しなくなったから。2030年までに日本社会にアノミーが訪れるはずで、これは怖い予言だが相応の確率で現実になるだろう(p263)

・今回の給付金(一人10万円、予算12兆8000億円)では少ないが、120兆円のベーシックインカム予算を確保すべきというのは、乗数効果を含めて300兆円の消費が上乗せされる可能性が出てくるから(p278)

・トヨタの時価総額が小さいのは、トヨタの未来が低く評価されているから、PERは8倍、つまりトヨタの時価総額はトヨタが稼ぐ利益の8年分しかないと株式市場が考えている(p293)

・トヨタが保有するエンジニア人材(メカトロニクス:GAFAやバイドゥ、アリババ、テンセント、華為が苦しんでいる領域)が最大の武器になる可能性がある(p297)

・なぜ自分がその生活を送っているのか、他の選択肢はなかったのか、その生活から抜け出すにはどうしたら良いという情報を探すことが非常に厳しい時代がやってくる。その裏にはビックデータ、人工知能などの時代を変えてしまう要因がある。そうなる前に、日本がなぜ壊れていくのかを人間が分析できる時代のうちに、人間ができる未来予測レポートを手に時代を変える努力をする(p316)