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summary

余命半年の米国経済

余命半年の米国経済の写真

・去年(2024)いっぱいまでは金利がじり高で国債価格が下がっても、米ドルが高くなっていた、だから外国人投資家が自国通貨を米ドルに換えて米国債を買うことは必ずしもマイナスではなかった、しかし今年に入ってから、債券安基調に加えて米ドル指数も下げつつけているので米国債投資は二重の損失を招くことになった(p18)

・1946年の「ロビイング規制法」という贈収賄奨励法によれば、連邦議会に登録されたロビイストを使えば、企業が議員たちを動かして自分たちに都合の良い法律は制度を作らせることができるようになった、以来、企業の国際競争力は激減し、経常収支は赤字となった(p23)

・自然寿命から言えば、アメリカ経済は今年半年、2026年1月か2月にはご臨終を迎える、だがトランプ政権は何がなんでも同年11月に予定されている中間選挙までは見かけ上の好景気を維持しようとするだろうから、今から丁度1年後の7月か8月に野垂れ死ということになりそうだ(p27)

・米国株価がなぜ上がったのか、環境が改善したわけでもなく技術革新があったわけでもない、最大の理由は、貨幣供給を増やしたから。2012年には9兆ドルだったのが、直近では21兆ドルを超えている、運用先として米株が最も大きかっただけ(p37)

・今回の株安(2025.4)は同時に米国債安も招いてしまった、百倍にも及ぶレバレッジをかけているので、誰かが損切りをすると米国債売りの雪崩現象が起きた、続いて他国通貨を借りて米ドル建て米国債を買っていた人たちの損切りによって、米ドルも下落した(p41)

・20世紀を通して年間利払費は4000億ドル未満にとどまっていたが、2020年には5800、2025年にはその2倍近い1兆1200億ドルに膨らんでいる、GDP比率4.6%(p47)

・テスラの株価上昇の大半は、時間外取引に関する規制が緩められた2019年以降に起きていた、商いの薄い時間外に大口の買い注文を入れると、それにみあった株数に売りが出てくるまで時間がかかり、その間に業績に基づかない株価急騰が起きるという手口で株価操縦をしてきた可能性が高い(p114)

・BYDはEVメーカの中でも営業利益を確保しながら成長していると思われるが、売り上げはなるべく早くかき集め、支払いは検品に3ヶ月、発注票と領収書の照合に半年といったべらぼうな時間をかけている、売上と支払いの時間差でかろうじて営業利益を出しているふりしているだけである(p117)

・アメリカは、ペンタゴン発注のあらゆる調達が市場価格のほぼ20−30倍になっている、だから実際には国防予算が自国の20−30分の1の国々と、ほぼ対等の軍事力しか持ち合わせていない(p141)

・植民地経営をしていたイギリス、フランスなどが大きな対外資産を蓄積したのは、貿易そのもので黒字を確保したのではない、植民地に対する宗主国という立場を利用して一次産品を安く買い、工業製品を高く売るとともに、金融仲介などで稼いでいた(p181)

・第二次世界大戦後のガリバー企業たちは、ほとんど二世代のうちに特権的な地位を失い、1980年代以降は1世代で終わることが多くなっている、一旦業界内で地位を確立したら、あとは賄賂で地位を守っていけばいいという発想が浸透している。例外は、軍需産業・石油ガス産業・金融業である(p182)

・フランスは混血を認めていたが、イギリスの植民地では、白人が黒人との間に子供をもうけることをタブー視した、一滴でも黒人の血が混じった人間は、外見は白人にしか見えなくても黒人と分類することによって極力白人の純血を守ろうとしていた(p200)

・アメリカは、先住民の奴隷化というアイデアを放棄し、黒人奴隷の大量輸入に踏み切った最大の理由は、逃げた先住民を遠目で見てもはっきりと奴隷だとわからないが、黒人であれば一目で見分けがつくという実用性の高い考慮が働いていた(p209)

・1862年のホームステッド法は、日本で小規模自営農家の育成を目指した善政と語られることが多いが、この法律の真の狙いは、慣れない土地で戦争になっても不利だし、逃げ場所をよく知らないところに先住民全部族を追いやることであった(p215)

・男女数名ずつ奴隷を所有していると子供が生まれ、次の世代の奴隷として農園で使うことができ、他人に売り渡せる。生まれた時から英語を話し、奴隷としての調教も一通り親がやってくれる内国産奴隷の価格は、アフリカ産奴隷の価格よりずっと高くなった(p224)

・奴隷解放によって黒人の境遇が悪化してしまった点として、1)北部自由州に移住できなかった多くの黒人が、元のご主人様が持つ土地を借りて小作するしか生きる道はなく、奴隷だった頃に保証されていた健康に働くための最低限の栄養補給さえできなくなった、2)自分たちの高額資産だった元奴隷が自由に行動している自体が不愉快で、さまざまな法律を乱発して、合法的に元奴隷だった黒人をリンチする事件が頻発した(p235)

・2025年の年初来6月中旬までの代表的な金融資産の価格変動率を見ると、金地金がダントツで30%近い上昇、米ドルが10%の下落、これは、取引相手リスクが皆無の金が大幅な価格上昇を演じ、米ドルの基軸通貨としての地位、そしてアメリカの覇権国家としての地位が揺らぐことを想定したドル安となっている(p264)

・長年にわたる賄賂のやり取りによって兵器価格がべらぼうに暴騰しているアメリカでは、通常の大陸間弾道弾を運べるロケットエンジンでさえ国内で生産できず、過去10年以上に渡ってロシアの兵器工場に外注していた。そのはるか先の技術である、極超音速ミサイル(これまで、ロシア・中国・イランの3カ国のみ開発、p308)を促成栽培で開発するなど、白昼夢に近い(p309)

・停戦初期のネタニヤフの挑発行動にトランプが本気で怒ったのの理由がある、イランと本格的にミサイル合戦をすることになったら、アメリカが実戦供用しているミサイル群が金ばかりかかっているくせに、いかに旧式でみすぼらしいかがバレてしまうから(p310)