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summary

製造業が日本を滅ぼす 貿易赤字時代を生き抜く経済学

製造業が日本を滅ぼす 貿易赤字時代を生き抜く経済学の写真

・イギリスやシリコンバレーの経験では、外国人の流入によってパイ(労働市場)の大きさが拡大することを意味していて、職場を失われているのではない(pはじめに、7、p163)

・日本の貿易収支が回復しない理由は、1)アメリカ消費ブーム終焉による乗用車輸出の減少、2)円高、3)電力制約、4)生産拠点の海外移転(p11)

・自動車輸出額と鉱物性燃料の輸入額は2002年頃まではバランスしていたが、現在は乖離している、日本の工業製品の価格競争力が落ちていることを意味する(p21)

・貿易収支が赤字で輸出入の価格弾力性が低い場合には、円安になると企業利益が減ることになる(p25)

・2009年から2011年まで原油価格が4倍近くに上昇したが、輸入単価は2倍程度、これは円高の影響が大きい(p26)

・今後の日本は金融をはじめとする高度のサービス業で生きていくべき(p28)

・農業は効率の関税による輸入制限と補助金で生きながらえてきたが、自動車もエコカー補助を受けている、自動車産業の農業化(p39)

・中国に対する輸出品で品目によっては著しい増加を示すものがあるが、これは元建て価格を引き上げているから、ベアリング、バストラック、医薬品等(p66)

・円高だから売上が伸びない、利益が減少する、というのは価格が引き上げられない、つまり製品がコモディティ化したことの告白、または国内生産設備に見切りがつけられないことによる(p68)

・貿易に影響を与えるのは、名目レートではなく実質レートである(p76)

・2003年の介入は単独であったが効果はあった、当時は日米金利差が十分大きかったので、介入が円キャリー取引を引き起こしたから(p86)

・電気を間接的に外国から購入することはできる、外国で電気を使ってつくられた製品を輸入すること(p107)

・電力会社の問題の根源は、地域独占と総括原価方式である(p113)

・再生エネルギーの主たる供給地は人口の少ない地方であるのに対し、電力の最大需要地は都市地域、したがって電力会社間の取引が必要になるが、現行の地域独占下では円滑にできない(p146)

・アジアの富裕層は、世帯年間可処分所得が3.5万ドル以上、中間層を占める7.5億人の可処分所得は、1500ドル未満(p169)

・垂直統合でPCを生産していたアップルも、iPadから水平分業に転換して、新興国の安い賃金を使った部品生産で高い利益を実現するようになった(p172)

・日本の電機業界(ソニー、シャープ)が負けたのは、液晶テレビの生産モデルが、巨大EMSの成長で本質的に変わったにもかかわらず、垂直統合モデルを維持して量でサムスンと競ったことが誤り(p173)

・日本で影響があったのは、人工減少ではなく、年齢構成の変化で若年層の人口が減少して、住宅や自動車などの従来型の需要が減少したこと(p176)

・トヨタは営業利益の大部分は、金融からもたらされている(p192)

・日本経済の問題は、デフレというよりも、所得が下がったことにある、下落しているのは工業品価格であり、多くのサービス価格は上昇している(p209)

・TPPの考え方(保護関税)は、いま出てきたのではなく原型は1930年代に行われたブロック経済(p222)

・アメリカは日中FTAを許さないだろう、なぜならTPPとは、アメリカの対中国太平洋戦略の一環であり、中国を排除することが目的なので(p232)

・仮に中国がEUとのFTAを締結すれば、中国に対する中間財の供給はドイツに独占されて、日本はきわめて深刻な打撃を受けるだろう(p235)

・韓国の輸出が伸びているのは、それは韓国がFTAに積極的だからではなく、顕著なウォン安が進んでいるから(p240)

・日本企業は、すでに生産拠点の海外移転によって、他国が締結したFTAの利益を享受できる、トヨタ自動車は、米韓FTAを利用して、アメリカで生産したカムリを2012.1から韓国に輸出している(p242)

・日本の名目金利が低いのは、物価上昇率が低いことの反映であり、リスクが低いからではない。(p284)