・掟を把握するにはどうしたらよいか、それは国際情勢の背景にある「変わらないもの」に着目する(p9)
・1789年から1914年がなぜ、長い19世紀なのか、それはこの時代が「啓蒙思想の時代」だから、啓蒙思想とは、知識が増えれば社会は豊かになり人間は幸福になる、というものの見方・考え方。19世紀には人間の非合理な情念を重視するロマン主義の抵抗を受けたが、基本的には近代の主流の考え方となった(p27)
・福祉国家は行き詰っていったので、生まれてきた考え方が、新自由主義。政府による社会保障や再分配を極力排して、企業や個人の自由競争を推進することが最大限の成長と効率のいい富の分配をするという立場(p33)
・地政学では、国家をランドパワーとシーパワーに分けて考える、アメリカは隣接するカナダ、メキシコから侵攻される脅威が除去されているので、南北アメリカ大陸という島と捉えられる(p51)
・シーパワーの優位性は、海から陸を囲むことができる、点と線を押さえればよい(p54)
・ホブズボームは、長い19世紀に対して、1914-1991のソ連崩壊(共産主義・社会主義陣営の敗北が明白)までを、短い20世紀と呼んだ(p63)
・東欧を支配するものはハートランド(東欧・ロシア・ユーラシア内陸部)を制し、ハートランド(ユーラシア大陸)を支配するものは世界島を制し、世界島を支配するものは世界を制する(p74)
・ギリシアの地は、古代ギリシア滅亡以降、マケドニア、ローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマントルコの順番で支配されていて、ギリシアという国は存在していなかった、ギリシアという国家は1821年のギリシア独立戦争が発端となって誕生する(p82)
・スターリンとチャーチルは秘密協定を結び、ユーゴスラビア・ブルガリア・アルバニアに対して、欧米はレジスタンスに対する支援から手を引く、ギリシアは欧米の勢力圏としてソ連は手を引くことにした(p85)
・欧米はギリシアの産業化を支援しなかった、理由は、工業が発展して工場労働者が生まれると、共産党による組織がなされるから、そのため、農業と観光だけの国にし、NATOの基地を置いて金銭的援助により経済が成り立つようにした(p86)
・大航海時代にあれほど富を得た、スペインやポルトガルといったカトリック国から資本主義が生まれなかったのは、天国における来世を重視するカトリシズムと関係がある、教会にすべてを寄付し、資本は社会を循環しないので(p88)
・文明はコピーできるが、文化には制約性がある、だから同じ文化的価値観(宗教)を共有する者は包摂し、そうでない者には門戸を閉ざす、これはEUの広がりを見るとわかる(p94)
・2015.1.1、ロシア・ベルラーシ・カザフスタンで構成される「ユーラシア経済連合」が発足し、翌日にアルメニア加盟、同月5月には、キルギスが加盟した(p104)
・ロシアにとっての緩衝地帯は、自国領ではないけれど、いつでも自国の軍隊が自由に移動できる地帯のこと(p117)
・ウクライナをめぐる対立を、ロシアと欧米諸国との「新冷戦構造」と捉えるのは間違っている、冷戦とは「共産主義と資本主義というイデオロギーをめぐる対立」であり、現在の対立は、ウクライナへの影響圏をめぐる地政学的対立として捉えるべき問題(p126)
・イギリス、フランス、ロシアの三国が第一次世界大戦後に、中東分割をした国家が機能不全を起こしていることが、原因でその結果が、ISの誕生である(p134)
・植民地支配では、少数派を優遇するのは常套手段、多数派の民族・宗教集団を優遇すれば、独立運動につながる(p143)
・ワッパーブ派は、コーランとハディース(ムハンマド伝承集)しか認めない、聖人崇拝も墓参りもしない、禁欲主義である。最大の過激派で、かつ、武装集団であるのが、アルカイダ・ISである(p147)
・コーランで禁止されているのは、ブドウからできたアルコール飲料で、ウィスキーはOK(p148)
・イランはかつてのペルシア帝国、トルコはかつてのオスマン帝国へと回帰しようとしている(p170)
・地政学的に見れば、一帯一路構想とは、ランドパワーとシーパワーを同時に展開して、ユーラシア大陸を囲い込むことに他ならない(p175)
・中国国家の命運を握っているのが、新疆ウイグル自治区に住む、ウイグル民族への対応である(p193)
・オランダはプロテスタンティズムのカルヴァン派であった、宣教する意欲が希薄なので、出島に門戸を平出も大丈夫であった(p211)
・アメリカが日本に来る目的として、食糧や水の確保と説明されていたが、最近の研究では、もう一つの理由として「石炭確保」ということがわかっている(p213)