・コロナ禍によって米国のFRBは4兆ドル(580)、欧州のECBは4兆ユーロ(670)日銀は170兆円、合計1420兆円(日本のGDPの2.4倍)を使っている(p21)
・2000年からの日本経済には以下の4つが重なっている、1)1995年には想像できなかった世界一の人口減と高齢化、2)人口の40%に向かう高齢層を支える人たちの労働生産性の停滞と人口減、3)失業率が2.5%と低くても設備がフル稼働した時の潜在成長力の低さ、1990年までは4%なのに対して、0.5%、4)政府債務のGDP比258%は、今後も増える見込みしかない(p22)
・日本では国債の1日平均の売買額が約10兆円、1200兆円の国債は1年におよそ2回転する、5兆円の売買がある現物株式市場の株は1年におよそ1回転する、国債市場はドル円のレートを決めている1日160兆円の外為市場に次いで大きい(p33 ,107,251)
・アメリカは2025−2028に米国債は大量償還期(16兆ドル)を迎える、これをどうやって返済するのかわからない、1)金利を上げ続けることになる借換債の増加、2)返済引き延ばし、3)対外的な返済を停止してデフォルト、の3つの選択肢(p41)
・トランプは中央銀行デジタル通貨を発行させずFRBを廃止すると言っている、この意味は、1963年に暗殺されたケネディが試みた「政府紙幣」の発行だろう、政府通貨のデジタルドルに換える(p70)
・非正規雇用が1990年の20%から、40%に増えてきたため、共稼ぎが70%に増えた世帯の実質賃金が下がり商品の需要が減ったことが日本経済の根幹にある非成長の問題である、世帯の所得が増えなければ需要も増えない、そうしないと経済は成長しない(p72)
・過去のGNPでは日本資本の企業が海外の工場で生産した所得も入っていたが、1994年からのGDP では海外事業の所得は海外のGDPと計算された、金融ビックバンは国際会計基準の変更でもあった、そして経常収支が赤字の米国と英国にマネーを呼び込むための制度であった(p77)資本が自由化された1995年以降は、ドルを円に変えずにドルのまま運用されて投資された、これが1995年の円高から長期円安へ転換した主因になった(p78)
・自民党の派閥の裏金になぜ国民が厳しい目を向けたのか、自分たちの所得が増えずに減ったから、平均で10%の税と25%の社会保険料が源泉徴収されて手取り(65%)は、生活材を買うときの10%の消費税をひくと実質額で55%になる。ここから赤字国債の国民負担の約5%をひくと「五公五民」になってしまう(p87)
・円は戦後のドルに対して、1/72の円安に下がった、日銀設立の明治15年には、1ドル=1円=1グラムの金、戦争直前は1ドル=5円、戦後は360円(p103)
・異次元緩和を行なって日銀が国債を現金化した増加マネーの総額550兆円は日銀当座預金の中にある、このうち500兆円の増加マネーのうち400兆円はドル買い(円売り)となって日米の株買い、貸出金の増加は100兆円、国内の物価と賃金を上げう、円安と株価上昇になったのは、当座預金のうち400兆円がドルとドル債、日米の株買いに流れたから、増加マネーが世帯の商品需要と企業の設備投資の増加にならないと、物価は上がらずGDP も増えない(p129)
・国民の持ち家の住宅価格は、借家に相当する帰属家賃として日米のGDPの世帯消費にこっそりと入っている、日本の24年の名目GDPでは帰属家賃は59兆円で、9.7%を占める、食品の購入額30兆円の約2倍である(p130)
・住宅価格で注目すべきは、東京では販売戸数が前年比で50%半減した上での価格上昇である、NYでも同じ、米国の新築軒数も200→140万戸に減っている、価格が上がっているのに供給が減るのは、その価格が異常であって買い手が減ったことの物証である(p144)
・金の保有含み益はその点、株価や通貨とは本質的な性格が違う、高い価格で売っても買い手がいるから、金は株と違い、含み益をほぼ実現できる、年間生産3600トンの金は金鉱山に物理的な限界があり生産量が増えない、したがって売買量が増えない、これが通過量が増える外為は株式数が増える株式市場と異なる性格を持つ(p148)安全に少なく見ても年15−20%上がると予想している(p150)3ヶ月以上のスパンで価格の上昇がある(p154)
・日本の5300万全世帯の実質所得は、1994年の641万円がピーク、2018年に514、勤務する人がいる世帯だけの実質所得は、1997年が最高で726万円、それば633万円と減った、世界にこんな国はない(p167)
・政府の経済統計は行政合理化の下で年々粗略になっている、国家の劣化は国家と同じ語源の政府統計(Statics)が粗雑になることから始まる、ローマ帝国の崩壊、江戸幕府の崩壊、第二次世界大戦中と敗戦の時も経済統計はなかった(p170)
・全世帯の実質所得が20%も減った理由、1)世帯所得からくる企業の売上が増えなかったので、働く人の生産性が1%未満、豊かな世帯は世帯年収1300万円以上の300万世帯(6%)だが、この階級の世帯年収も減った、2)総物価を10%上げた消費税によって、勤務世帯で13%、退職世帯を含む全世帯で20%減った(p175)
・100兆円未満の設備投資が続くと設備の毎年の劣化によって生産力は落ちてしまう、2013−2024年の年平均では89兆円で、11年で121兆円も少ない、この分が国内経済の生産力の低下となった(p177)しかし需要増加が期待できる海外には、大企業で28%、中小企業では21%の輸出型企業が海外で設備投資を行った(p178)
・中古の住宅の実売価格が下がっても新築だけの政府統計の住宅価格は下がらない、GDPの国際標準の計算では、生産された在庫の増加が売れ残りであっても、GDPは増加する、販売価格分の在庫(不良債権の推計:1000兆円)がGDPの増加になっている(p202、244)
・1929−33年の世界恐慌は、第一次世界大戦後のブロック経済化から起こった、今回は東西を分断したウクライナ戦争がこれにあたる、2026、27年の可能性がある(p245)
・アメリカは50州の合意による連邦国家、26国の欧州連合(EU)と同じである、以上の国家構造から国債は州ではなく、連邦政府の負債である、法論理から米国債は州の負債ではない(p255)州兵と最高裁をもつ州は、米国政府の債務を弁済する義務を負わない、米国議会は政府の上にある、これが米国の民主主義である(p256)米国連邦憲法には、敵対国が持つ米国債に、大統領令で「返済と利払いを停止して無効にできる」という条文がある(p257)
・異次元緩和とは、日本は現金になった経済力を自国では使わないで米国に貸し付けた、2012年の1万円は12年後の2024年でも同じ名目数字の1万円だが、ドルとの関係で1万円は5270円へと半分の通貨価値に下がっている(78円→148円)日銀が過剰に増やした円の価値が下がった結果が円安である(p280)
・バブル価格(株価、住宅価格)はいずれの時期か、インフレから金利が上がって金融が引き締まると崩壊する、現在のバブルは、コロナ対策の財政出動とマネー発行の増加がもたらしたコロナバブルと命名されるだろう、崩壊の時期は、中央銀行によって引き延ばされても、2026年末までには来ると予想している(p284)
・経済収支が赤字の米国は、自国では赤字国債を買うマネーがないので、海外からのドル買いの増加がないと米国経済は変調をきたす、短期的には時価総額7000兆円とGDPの2倍になったバブル株価は上がるが、2025年の後半期からは危ないだろう(p331)