・トランプの過激な人物像の裏に戦略的な計算と人間としての温かさがあり、 礼儀を重んじる 実務的な人格である。 彼の 厳しい言動や 鋭い言葉の裏には、信頼できる人間に対しては深い 忠誠と敬意を抱き、 個人の絆を大切にする 一面がある。安倍氏との友情はその最も 象徴的なものであろう(p25)
・アメリカにおいて 1967年には平均的な世帯の年間所得は 中間層よりも 12% 高かったのに対し、 2023年には その差は 42%に拡大している、 これは単に貧困の拡大という問題だけでなく「努力しても豊かになれない」という社会的疎外感を生み出している(p41)
・トランプ 政権で 経済政策を設計した ミラン は「米国が世界の基軸通貨国であることは 呪いである」 という挑発的なテーゼを展開したことで注目を集めた、 基軸通貨であるがゆえに生じる「 米国への過剰な資本流入が、国内の産業空洞化を招いている」という現象を問題視したものである(p50)
・トランプ 経済思想は従来の「保守・ リベラル」軸とは異なる、 第3の軸、 すなわち「国民経済の再建」「 国家の安全保障」という実践的倫理に基づいた パラダイムを示している (p53)
・ 関税はもはや「 例外的な経済 介入」ではなく「経済と道徳の接点を制度化する」日常的な 国家機能として 最定義される。トランプ 政権が打ち出した 関税政策の根底には、このような「正義の再制度化」としての関税観が 存在している(p67)
・ 2022年12月時点で、ヘッジファンドは 米国債を担保としたレポート 取引で、5530億ドルの借り入れを行っており、 これを 99億ドルの自己資本で支えている、 つまり 実質的に56倍のレバレッジをかけている(p104)
・関税政策は 製造業の雇用 保護という当初の目的と整合しない結果を用いた、 むしろ コスト構造の悪化・ 需要の減退・ 企業のリスク回避姿勢の強化・ 自動化による 人員削減 など、 雇用にとっては多重的にマイナスの効果を及ぼした(p113)
・トランプ 政権の失敗は 経済政策のみにとどまらない、 より深刻なのは 安全保障政策との整合性が取れてないという点である。トランプは 関税政策を「国家安全保障」の文脈で正当化してきたが、現実には 同盟国との摩擦を深め、 対外的孤立を招き、米国自身戦略的立場を弱体化させている(p125)
・日米間の地位協定改訂には、 日本の刑事司法制度そのものへの抜本的改革が不可欠である、 すなわち 、1)長期勾留制度、2) 取り調べの録音 義務化、3) 弁護人 立ち会いの原則化、といった「 国際基準に基づく 司法制度の整備」が前提となる(p163)