・時代の断絶に適応できない人々、時流から疎外されていく人々の姿を「ウルトラ」シリーズは映し出していた(p19)
・当時は人口問題の解決が重要であった、毎年出生率が2.1を超えていて現代と全く異なる環境であった、1974年には「子供は二人まで」という家族計画を国民に推奨した(p32)
・東京を含む都市部の地価上昇は、1955年を100とすると、1965年には1082,1975年には3163となった(p35)
・1970年代の4本のウルトラシリーズ(帰ってきた、エース、タロウ、レオ)は、少年の成長物語であった(p75)
・1971年より同時並行的にシリーズが重ねられてきた「仮面ライダー」も、ウルトラマンレオの終了とともに終焉した、ゴジラも同様(p88)
・日本に怪獣が頻出する理由が「エネルギーに満ちていたから」であり、経済発展していく日本の光と闇を映し出すために怪獣の出てくる物語が構築されてきたとすると、オイルショックというエネルギー危機は、怪獣が日本に現れる理由も失わせた(p89)
・1996年には、仕事を持つ主婦の数が専業主婦を上回り、家族像にも変化が現れた、1985年に男女雇用機会均等法が成立されてから、変化が起きていた(p120)
・2000年代は、価値観の異なる複数のヒーローの戦いが描かれる、何が正しいかという正義を巡っての逡巡が「ウルトラ」シリーズや、「仮面ラダー」シリーズで描かれた(p140)
・ウルトラセブンの最終回は、ウルトラセブンの死こそ描かれなかったが、見るものに「ウルトラマン」の最終回以上の悲壮感を与えるインパクトがある(p166)
・「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の揺るがないテーマは、ヒーローに憧れるばかりでなく、「自分自身がヒーローになることが必要である」(p167)
・ウルトラマンの帰還を見送ることができたのは、人間たちが今後も起こるであろう様々な問題に対処していく力が自分たちにもあるということに気づいたから(p169)
・誰がウルトラマンであるとわかれば、人々は初めからウルトラマンを頼り、自助努力を怠る危険性がある、ウルトラマン80の最終回では、ついにウルトラマンの手を全く借りることなく人間たちの結束だけで怪獣を倒した(p177)
・ウルトラシリーズが、各々の時代の表象となっていて、その視座の中心は「都市」「家族・少年」「若者」であった(p190)
・ウルトラシリーズは、帰ってきたウルトラマン以降の作品は不当に低評価の時代が長かった、今ではシリーズ屈指の問題作と言われる作品は、評価が高まったのは後の話(p197)