・資本主義とは欲望の体系である、この世界で幸せをつかみたいなら誰でも物質的な豊かさを否定できない。発展するためには、1)社会における商品経済の発達、2)資本家と労働者という二つの階級、が必要(p21)
・資本主義が栄える前は、どの国も封建制であった。主君が家臣に土地を与えて、そこに農民を縛り付けるシステム、つまり権力者(領主)が領地(荘園)から年貢を吸い取るシステム(p26)
・十字軍の遠征によって物々交換から貨幣経済へ発展した、この時、封建領主と教会の没落=国王の復活(絶対王政)というおまけもついてきた(p28)
・絶対王政を支えたものは、官僚制と常備軍である。そして思想的に支えたのは、王権神授説であった(p31)
・囲い込み運動とは、当時、輸出商品の毛織物をつくるため、地主(ジェントリー)が農民から強引に農地を没収して、そこに柵で囲い込んで中で羊を飼い始めたこと。これが資本家と労働者誕生のきっかけとなった。農民は、毛織物工場の労働者にならざるを得なかった(p35)
・産業革命を支えた資本家はおおむね共通して、王が保護していた重商主義と東インド会社を嫌っていた。(p37)
・イギリスが世界の工場として君臨できたのは、1870年ころまででそれ以降は、アメリカやドイツに負けた。産業革命は2回あり、最初は18世紀後半におきた軽工業(毛織物、綿)でありイギリスが主役、第二次産業革命は化学や電気がメインの重工業中心であり、アメリカやドイツが中心(p50)
・イギリスが世界の工場でなくなった理由として、世界の銀行になったから。従来のジェントリー(地主、貴族)に加えて、銀行家、証券、保険業者、海運サービス業者が活躍した(p51)
・1823年にアメリカは、モンロー大統領により、欧州とアメリカ大陸間での相互不干渉主義をとっていたが、1899年には、国務長官により対中国では門戸開放宣言をした(p54)
・バルカン戦争(1912)は、ロシア主導のバルカン同盟(セルビア、モンテネグロ、ブルガリア、ギリシア)がオスマン帝国に宣戦布告、オーストリアがそれを支える形で始まった(p59)
・GNP20年分の賠償金を払うためにドイツは仕方なくマルク紙幣を増刷した。結果、1ドル=4.2兆マルクまで為替は動いた(p71)
・フランスは第一次世界大戦後弱っていた、国土は戦場になりボロボロ、ロシアに貸した金は不良債権化、ドイツは賠償金の支払いを待ってくれといっていたので(p74)
・日本の当時の金との交換比率は、1円=0.75グラムであった。この制度が生まれたのは、世界貿易の拡大とともに他国通貨を受け取る局面が増えたから。世界に先駆けて英国で金本位制が導入されたので、ポンドが価値の安定した国際通貨と認められた(p82、83)
・アメリカが高い保護関税をかけたことで、各国は金本位制を捨てて通貨価値を下げて売るしかなかった。金という物差しを失った各国は他国通貨を受け取ることが怖くなり保護貿易を始めた(p88)
・世界恐慌後にお尻に火のついた「もたざる」は3つ、日本、ドイツ、イタリアであった。通貨価値の混乱からくる世界貿易の縮小こそが第二次世界大戦の経済的な主要因であった(p95)
・戦後、金本位制を復活させるために、米ドルだけを金と交換可能(1オンス(28.35g)=35ドル)にして、他国通貨は1ドルいくらとする。すると世界の通貨を、間接的に金何グラムの価値で示すことができる(p104)
・日本は高度経済成長期(いざなぎ:1954-1957、岩戸:1958-1961)の頃、アメリカから最新式の機械を買う、輸入ばかり。原資は朝鮮特需で稼いだドル(p128)
・アメリカの信用不安が金の価値暴落(欧米による金売り協調介入)を上回っていたので、この金プール制は廃止されて、市場と公定価格の2種類の価値が生まれた。これにより固定相場制は崩壊に向けて進んだ。そこでIMFはSDRというドルを融通してもらう権利=第三の通貨を創設した。今は、主要四大通貨(円、ドル、ユーロ、ポンド)の通貨バスケットである(p135,136)
・アメリカはスミソニアン協定(ドル安政策)で稼いだドルをすべてベトナム戦争へつぎ込んで負けた、その結果、変動相場制へ移行する(p144)
・1979年に二度目の石油危機となった(4x2.5=10倍の原油価格上昇、6年間)が、日本は石油を食わない軽薄短小型の産業構造を作り変えていたので、1980-1983年の世界同時不況は日本以外に大きな影響を与えた(p149)
・銀行が企業融資以外の余りカネをだぶつかせたら、間違いなくバブルが起きる(p181)
・日本ではバブル期において、地価・株価意外では物価上昇はほとんど見られなかった。この時代、ずっと円高基調だったので(p186)
・銀行が不動産融資総量規制をかわすための隠れみのとしてリース会社を使ったかは、銀行は大蔵省と銀行法に縛られていたが、リース会社の監督官庁は通産省で大蔵省の縛りは無いから(p191)
・景気が明らかにおかしいと思われていたのは、1993年の頭から、株価だけなら1989年末をピークに下がり続けていた(p199)
・ロシアは急激な市場経済化にまごまごして、1992-95年の4年間で物価が2000倍になった(p218)
・1990年の東西ドイツ統合で、交換マルクを1対1にした。これは東ドイツ側から見ると悲惨なことになる。東ドイツマルクは経済が弱いので本来は東ドイツマルク安となる。すると東ドイツのモノが高くなり売れなくなる(p220)
・EU憲法は、フランスとオランダの国民投票において否決された(p224)
・サブプライムにおいてレバレッジは3-4倍程度であったが、規制外であった投資銀行や生保、証券では20-40倍のレバレッジで信用取引をしていた(p244)
・人民公社は、大躍進政策で男が鉄くず拾いをしている間、女が農作業を行うという生活スタイルを支えるため地域ごとにつくられた集団農場組織、農作業・食事、教育を行った(p258)
・TPPは米国が中国と主導権争いをやるための武器、一方「日中韓FTA」は中国の武器で日本を引き入れようとしている。日本は、覇権を左右するキャスティングボートを握っている(p277)
・アベノミクスとは、本格的にデフレ脱却を目指すリフレ(通貨再膨張)政策。世の中からデフレ状態とデフレ心理を一掃する(p294)