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summary

対米黒字が日本経済を殺す 黒字亡国 (文春新書)

対米黒字が日本経済を殺す 黒字亡国 (文春新書)の写真

・植民地(インド)がロンドンでポンド資産で運用するために自国通貨の預金を充てることは、植民地にとって負担となりうる(1965年に出版)、植民地にとって国際収支の黒字を出すことが、手取資金をロンドンでポンド資産で運用すること、もし資金をポンド資産で運用しないのであれば、その資金は植民地国内で経済・社会の発展に使うことができたかもしれない(p19)

・以上のことは、植民地から宗主国に富を互恵的かつ合法的に移転する。植民地の人々に気付かれずに富を吸い上げるメカニズムである(p19)

・日本にとっての最大の問題は、経常収支の黒字そのものがデフレの原因であることを、日銀・財務省等の金融当局が認めていない、理解しているけれどどうしようもないこと(p21)

・都銀全体で、1990年代半ばまでの40年間近く黒字決算を続けたが、それまでの黒字累計額を、その後10年間で上回っている(p32)

・ドル為替本位制では、日本がドルを支える限り、ドルを赤字支払いに用いるアメリカのみが突出した赤字を出し、経済成長ができる。責任を負わせられるのは、汗を流して生産し輸出し続ける黒字国である(p67)

・この制度においては、赤字国アメリカはドルを支払っても輸出国が受取保有する限り、赤字になることによる不利益は無い。黒字国の貿易条件=為替水準が切りあがることによってのみ、その不均衡が調整されるので、これはコペルニクス的転換である(p68)

・輸出の拡大を持続しつつ、日本国内で経済の拡大再生産をしていくためには、資本輸出に伴う通貨不足分を十分に補いうるだけ、日銀が金融緩和政策を実施して国内通貨量を底上げするしかない(p72)

・インドではルピー預金が黒字分に見合うポンド資産の取得に使われた、そのため国内で流通するルピーは少なく、インド経済は次第に資金が逼迫していった、別の表現では、輸出で稼いだ黒字はポンドのままイギリス国内に貸し置かれたので、インド国内には輸出代金を持ち込めずに、カネが回りにくくなった(p82)

・基軸通貨ドルの傘下に甘んじている日本の立場は、インドのそれと変わらない。中国をはじめとするアジア諸国も同様である(p85)

・朝鮮戦争勃発のため、独占禁止法、証券取引法は作られたが使われないまま放置された、アメリカの要請により戦時経済に事実上、復帰した(p114)

・賠償金を払うとなると、先だって敗戦国は資金調達のために消費財を戦勝国に輸出する、一方戦勝国にも軍事生産から消費財生産への切り替えにより溢れている、敗戦国は生産が少ないうえに、そこから賠償支払いに充てる必要がある、そして両者から歓迎されないことになった(p164)

・アメリカはドルと金の交換比率を変更できるが、他国の通貨との為替レートは勝手に変更できない、円・ユーロ・ポンドはそれぞれドルに対して為替レートを設定できても、ドルがそれらの通貨に対して為替レートを決めることはできない(p166)

・日本が日清戦争で得た賠償金及び、日露戦争の準備のために海外で調達した資金の両方は、イギリス中央銀行である英蘭銀行に預けた。これは、インドが在外資産をイギリスに置いて管理・運用したのと同じ、イギリスはそれに見合った資金を提供した(p177)

・1960年代始めまで、日本はドルで金を買っていたが、好ましいことではないとされて、1961年から止めた。理由は、当時の日本はアメリカ政府機関、世界銀行からお金を借りている立場であり、それを元手に金を買うことは「アメリカのカネでアメリカの金を引き出すことと同じ」と迫られ、アメリカから「金を借りられなくなる」ことを恐れたため(p231)