・人生後半戦をカッコよく生き続ける人がもっているものは「有意味感」出会う、これの高い人は「自分にとって意味のあるもの」を直感で選別し、ストレスや困難は自分への挑戦だと前向きに対処できる。これを高めれば、自分の「真の誇り」を手に入れることができる(p9)目の前の仕事に完全燃焼することで高まる感覚でもある(p87)
・定年制がスタートした明治後期の男性の平均年齢は43歳前後で、定年年齢は55歳と寿命より長かった。お陰で余熱が冷める間も無くあの世へお迎えが来てくれて幸せだった。昭和や平成時代も米津に浸りながら余生を送ることがギリギリできた。ところが余熱に包まれた心はその現実を直視できない、そして余熱が覚めた時過去の日常が消えたことに今更ながらビビる。肩書き、収入、部下、会議、社員食堂、喫茶室、コンペの約束、出張など、失ったものばかりが目について喪失感に苛まれる。転職や無職の経験があれば、不安定な移行期もなんなく過ごせるが、そうでない人にとって変化は大きな不安である、自分の存在する意味が脅かされてしまうから(p42)
・定年の提示自体が変わってきたご時世で、あえて健康社会学的に定年を定義すると、「ルーティンが断ち切られる日」と位置付けることができる。ルーティンとは、二人以上のメンバーを巻き込んだ観察可能な日々の反復性のある行動で、誰かと一緒にやるのが当たり前になっている「日常」である(p42)
・ルーティンを、計画→実行→成功、とすると「心理的well-being」の強化につながっていく、心の筋肉のようなもので、人生の危機に対処し、乗り越えることで心の筋肉が鍛えられれば、そのあと遭遇するストレスを軽減できる、そのためには「俺が俺がの黄金期を忘れる」しかない(p48)
・脳の劣化は得意分野以外から進む習性があるため「過去の栄光」は最後まで残り続けるという困ったメカニズムも存在する。老化した脳は前頭葉の機能が低下しているので、感情コントロールも苦手であり、横柄な態度や怒鳴りつけることが増える(p68)
・熟練したキャリアでの再社会化(再雇用とは転職である)は、良好な人間関係が最優先課題である、新卒に求められる他の3点(自らに課せられた仕事を遂行、組織文化・風土・規範を受け入れる、組織の一員として相応しい属性を身につける)より大事である(p72)
・相談しにきた女性部下に対して共感の欠如があるとうまくいかない、女性部下は上司に「そうだよね」と共感して欲しかった、女性にとって会話における言葉は「相手とつながる」ことを目的にしているのに対し、男性のそれは「情報交換」である、前者は「ラポートトーク」後者は「リポートトーク」と呼ばれる(p75)
・境界内に、1)身近な人とのつながり(=家族、友人)、2)社会との関わり(=仕事・ボランティア)、3)生命の尊さ(=健康)の3つの要因を含むことが重要である、この3つの回し続けることで、私たちは自分らしい幸せな人生を歩むことができる(p102)
・自分の周りを取り巻く世界から逃げ出すのではなく、自分が納得できる世界を作れば、自然と社会の眼差しは気にならなくなる。納得できる自分でいるために没頭すれば、自分が何に虚しさを感じていたのかさえ忘れる。10個のうちたった1つに向き合い没頭すれば有意味感は高まっていく(p105)
・孤独は自分と向き合う大切な時間でもある、しかし孤独を良い孤独にするには「自分に足りないもの」を受け入れる必要がある。このプロセスは自己受容と呼ばれ、自分のいいところも悪いところもしっかりと見つめ、自分と共存しようとする感覚である。40代以上で自己受容ができている人は、謙虚で有意味感も高い、彼らは決まって周りといい関係を築き周りから慕われる人であった(p124)
・家族友人、会社や趣味の仲間とつながりを持っている人は、健康で長生きで経済的にも成功している人が多く、身近な人といい関係にある人は、生活の満足度が高く、いざという時に頼れる人がいる、という人は幸福感が高く、脳も元気で記憶をいつまでも鮮明に持ち続けている(p143)
・暗黙知はさまざまな不測の事態や「もう無理」という状況を繰り返し経験することで高まるため、年齢とともに上昇し、ピークは70歳と断言する研究者もいる(p181)
・他者を変えることはできなくても、他者との関係性を変えることはできる(p184)