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世界で第何位? 日本の絶望 ランキング集 (中公新書ラクレ 800)

世界で第何位?  日本の絶望 ランキング集 (中公新書ラクレ 800)の写真

・台風や豪雨のたびに、どこかしらで大規模停電が発生している、2019年9月の台風15号では90万戸が起きて3週間近く復旧しない地域もあった。これらは電源を地中化すればかなり防げた、無電柱化の推進は阪神大震災の頃から言われていたが、30年経過しても全く進んでいない。東京23区の無電柱化率:8%、ロンドン・パリ・シンガポールは100%(p33)

・現在の国の借金1000兆円は、1990年に始まった公共事業(内需拡大)63x10=630兆円に端を発する(p36)
・社会保険関係費というと年金、生活保護を思い浮かべる人が多いようだが、最も大きいのは医療費である、現在の医療費は年金とほぼ同額だが、長い間医療費が年金よりも大きかった(p48)

・人口千人あたりの病床数は世界一だが、新型コロナの初期では医療危機となった、それは集中治療室が最低レベル(10万人あたり5.2vsドイツ:33.9、アメリカ:25.8)(p53)日本の場合は、民間病院が8割(英・仏・独は過半数以下)と異常に多い(p54)開業医が日本では多い、日本医師会という強力な圧力団体を持っている(p59)日本医師会は医学部の新設に強硬に反対してきたので、新卒医師数が少ない(7.1 vs ドイツ等は12人以上@10万人)(p61)

・寝たきり老人の数が300万人以上と世界ワースト1位、理由は医療現場において「とにかく生存させておく」ことが善とされ、点滴・胃ろうなどの延命治療がスタンダードで行われているから(p65)

・日本の医療において開業医が多いことと並んでもう一つ特徴的なのは、精神科病院が多い、しかも入院型である。世界が入院型から通院型へ切り替えている。精神科の病床は32万以上で全病床の21%を超えている、人口千人あたりの精神科ベット数は日本が2.6で2位の1.4に比べてダントツの一位である(p67)結核療養所が精神科に衣替えした経緯がある(p69)精神疾患は自己負担分を自治体が補助しているケースが多いので、患者の負担はゼロになっていることが多い(p70)

・日本の製造業が衰退した最大の原因は、生産設備が日本から海外に移され、国内が空っぽになってしまったこと(p81)中国韓国メーカが台頭したというより日本メーカが凋落したと見る方が正しい(p85)欧米のメーカは、中国・韓国メーカのものと競合分野が異なる(p86)日本は海外で工場を作り、無償で技術提供をしたので中国・韓国メーカが技術力をつけていった(p88)

・日本のデジタル競争力が急速に落ちたのは、1)安易な海外進出による技術流出、2)雇用を大事にしなかったことによる人材難、目先の収益を追い求めた結果である(p91)

・日本国内で90億円の経費をかけて100億円の売り上げ、10億円の収益を得ていたとする。海外に工場移転して20億円の収益を得たとする。これにより10億円の増収、日本へ利益をもたらしているように見えるが実際は異なる。日本国内で活動しているときは10億円の収益しか得られなくても、そのために90億円の経費は日本国内に落ちていて、それが雇用をうみ、国内下請けの収益となる。100億円の経済効果を生んでいたことになる(p95)海外に移転すればその分GDPが減ることになり、労働生産性が伸びていない原因でもある(p96)

・輸出される商品は、国内で製造する段階で材料費などで消費税を払っているので、輸出するときに支払った消費税を還付する=戻し税である(p108)さらに、外国子会社からの受取配当の益金不参入(95%は課税対象から外す)がある(p109)これは国内でものづくりを頑張るより、海外に工場を作って子会社化した方が得をすることになり、確実に日本経済を蝕んでいる(p112)賃金が上がっていないことも一因(p124)

・平成の30年間は失われた30年と呼ばれる苦しい時代のはずであるが、個人金融資産は、1017→2000兆円以上になっている、一部の富裕層に集中している(p119)

・この20年間で国内消費が10%減少している、したがって企業の国内売り上げは下がる(p128)

・生活保護の不正受給者はせいぜい2ー3万人、一方で生活保護のもらい漏れは、800万人近くいると推定されている(p142)

2023年9月9日読了