・米国の軍事的実力は見かけほどではない、その証拠に、ロシアは米国を軍事的に恐れていない。問題は、にもかかわらず、自惚れた米国が自分の実力を見誤り、各地で分別を欠いた挑発を行なっていることである。その結果が、イラク、イラン、シリア、ウクライナ、グルジア、アフガニスタンでの失敗であり、米国の介入による混乱が今度は東アジアにももたらされつつある(p11)
・日本はコロナによる死亡率を最小限に抑えたが、高齢者の健康を守るために若者と現役時代の生活に犠牲を強いた、日本のような老人支配の度合いの強い国ほど顕著である。高齢者の死亡率よりも重要なのは、出生率である(p15)
・個人主義的で女性の地位が高い国(英米のような絶対核家族)やフランスのような平等主義核家族で、死亡率が高く、権威主義的で女性の地位が低い国(日独韓)のような直系家族)で死亡率が低くなっている、これにはグローバル化の度合いが大きく関わっている。死亡率の低いグループでは、グローバル下でも暗黙の、保護主義的傾向が作用し、産業空洞化に歯止めがかかって国内の生産基盤と医療資源がある程度維持されて被害の拡大が防げた(p33)
・欧州では、EUとユーロ創設という形で、グローバリズムが貫徹された。特にユーロがフランスの国内企業を破壊した、対照的にドイツは単独通貨マルクよりもはるかに安いユーロによって、EU域内貿易でもEU域外貿易でも恩恵を受け、巨額の貿易黒字を積み上げた。(p34)
・米国を作った英国人たちは、そもそも人類の平等性を信じていませんでひた、まず先住民、続いて黒人、白人以外の人種グループに劣等のレッテルを貼ることで初めて、米国では白人は皆平等なのだと思えるようになった(p97)白人の範囲は、徐々に拡大された、最初は北欧州出身の移民、その後しばらくして、イタリア系・ユダヤ系の非キリスト教徒、第二次世界大戦後はアジア系移民も「白人扱い」に格上げ、(p135)
・英米人は資本主義をなぜ、うまく機能させる「創造的破壊」が得意なのか、その深い理由は伝統的家族形態の「核家族」にある。子供は大人になれば、親と同居せずに家を出て行かなければならない、これが創造的破壊を常に促していると考えられる(p112)
・人種的不平等、コロナ、医療政策を重視した有権者がバイデンに糖尿し、経済・犯罪と治安を重視した有権者がトランプに投票している、党の政策が良いかどうかよりも「そもそも何を問題とするか」というレベルで深い亀裂が生じている(p152)
・スペインのマドリードは、EUの中枢であるブリュッセルの指令に忠実なだけの経済政策(=通貨ユーロ価値の維持と緊縮政策)を行なっていて、国家としてのスペインに必要な経済政策を放棄している、そうであれば、カタルーニャ(州都:バルセロナ)の人々がスペインに自己同一かする必要も魅力も感じないのは当然です(p169)
・ユーロ導入により産業力の弱い国が自国通貨の価値を下げて競争力を得て生き延びることができたが、それが今では不可能になった。強く国=ドイツがフランス、イタリア、スペインの産業を破壊した、その結果、ドイツ以外の各国の産業破壊と失業率上昇である(p174)その結果、ドイツの輸出だけが一方的に増大する空間となった、最大の貿易黒字を出しているのは、ユーロ圏外でなくユーロ圏内である(p175)
・どの社会にも上位0.1%あるいは1%の富裕層がいて、上位9%、上位40%が続き、さらに下位50%の人々がいる(p189)いずれの場合も、結局は上位10%の富裕層が総資本の80%を所有、上位1%の富裕層が総資本の50%を所有する(p192)1945年以降の民主化により、下位50%は何も所有しなかったが、戦後に生じた変化の最たるものは、世襲財産的な中間層の出現である。上位10%と50%の間に、何かを所有する40%が現れた、何かとは、マイホームとささやかな貯金(p193)
・日本はドイツと同じ家族システムの国だが、一つ違うのは、イトコ婚(イトコ同士の結婚)の存在である。ドイツではほぼ皆無だが、日本ては歴史的に許容されてきた。(p210)
・日本人が直系家族としての意識を取り戻すのは、盆暮れの帰省ラッシュである、帰省ラッシュがなくなったら、日本の直系家族は消滅する(p220)
・家族というものを、親子関係、兄弟姉妹関係、内婚制が外婚制といった基準で分類すると五つに整理できる、1)絶対核家族(英米)、2)平等主義核家族(フランス北部、パリ、スペイン、イタリア北西部など)、3)直系家族(ドイツ、フランス南西部、スウェーデン、ノルウェー、日本、韓国)、4)共同体家族(結婚後も男は全員住み続ける、アラブ、トルコ、イラン)、5)外婚制共同体家族(イトコ婚を認めない、中国、ロシア、北インド、フィンランド、ブルガリア、イタリア中部、)この中で、最も新しいのは、共同体家族で古いのは「核家族」である(p214)