・最新の情報をもとに解析し、理論化して知識化すると、知識は使っても、お金のようには減らない。使えば(読めば、話せば、書けば、表現すれば)逆に増えていく。あなただけの、譲渡や移植、相続もできない知的資産になる。これは、まとまった本を読むことで耕さないと、いつの間にか冷たく固まってしまう。文字は読めても文章の意味を取れない人が、2000年代から特に増えているという、原因は読書よりSNSの映像を、情緒で受け取る時間が遥かに長いからである。映像と動画は、情緒的な需要は発達させるが、理性的・知識的・理論的な脳の働きを退化させる。文章を読むことは考えることである(p11)
・日本に仕掛けられた経済面の超限戦は、1)1985年のプラザ合意によるドル切り下げ(=ドルの対外資産で50%損)、2)1988年から日本の銀行にBIS規制を強化、3)1970年代から繰り返されてきた対米輸出規制、4)1986年からの半導体摩擦(世界シェア50→8%)、5)1990年からの公共投資の1年40兆円と、対米輸出を減らす内需拡大を求めた構造協議、6)日米合同委員会(p31)
・米国における民主党と共和党の酸鼻を極める対立は、南北戦争が現代風に形を変えた超限戦である。米国では言えないが、民主党には黒人とヒスパニック、共和党には白人の支持者が多い、これを知っていないと、米国の政策の判断を誤る。岸田政権は、米国・民主党側である、米国の対日戦略は50年一貫して、ドイツ・日本の技術力とマネー力を押さえつけることにあったが、2000年代に対中国に重心が移った(p32)
・2024年から2025年は、米国が作ってきた、ドル覇権の世界が崩壊していく時代になる可能性が高い(p34)
・SWIFTは200カ国の銀行が加盟する送金回線、全世界を覆うインターネットのような物理的な専用回線である。ウクライナ戦争の時、米国はロシアへの制裁として、ルーブルをSWIFTから排除し、米欧はロシアの約45兆円の外貨準備(60%)を凍結した。ロシアはエネルギー輸出ができなくなって原油価格が高騰した、ロシアは中国の送金網(CIPS)を使って、中国とインドに、1バーレル60ドルという半値で輸出した。これが、BRICSデジタル通貨の出発になった(p36)
・米国の赤字で海外に出たドルは若干の時間をおいて、ほぼ100%が米銀に還流してくる。50年間も続くGDPの1.3倍に達した形状赤字(30兆ドル=4200兆円)は米国が気にする必要がない。米国の赤字の一部である世界の外貨準備(12兆ドル==1680兆円)も米国FRBと米銀に預金されている(p49)
・ウクライナ戦争では、戦後79年の基軸通貨のドルに対して、BRICSと産油国、東南アジア、南米23カ国が連合し、通信回線で送るデジタルの「金ペッグの通貨(国際通貨=貿易通貨)」を掲げている。通貨と経済では、1944年に金兌換のドルを基軸通貨と決めたブレトンウッズ協定以来の歴史的転換になっていく、約5年から10年をかけた世界のドル離れへの動きになる、ポイントは、1)石油輸出額が1位と2位の、サウジとUAE、埋蔵量1位のベネズエラが反米・反ドル、2)1980年以来敵対してきた、サウジとイランが中国・習近平の仲介で和解した(p55)
・コロナの後の米国の金融資産=負債は、122兆ドル(=1京7080兆円)に膨らんでいる、3%の金利なら5512兆円の利払い(GDPの16%)4%なら683兆円(同22%)になる、払えるわけない。こうした事態を前にしても銀行が静かなのは、負債がGDPの5.3倍と大き過ぎ、対策がないからだろう(p58)
・貿易のために国際通貨との交換が必要であり、外貨と交換できる「円」を作るために日銀が作られた。日銀が設立された明治15年(1882)の1円は、共通価値を持つとされてきた金を媒介にして1ドルとされた、「1ドル=金1グラムの価値=1円」だった。これは、1グラムの金を1円と決めたのではなく、金1グラムの価値を1円として守ることを、円を発行する日銀が決めた。(p63)現在は、金を媒介にすれば、金0,016グラム=1ドル=152円、金価格を仲介にみれば、現在のドル/円レートは、140年前の明治15年と一致しているのは脅威である、信用通貨になっても、裏では金が本来の通貨だったからだろう(p65)
・人は同じ世代同士でしか対等のコミュニケーション(立場を超えた相互の親密な情報交換)を取れない、親や上司の世代の上司とは、同じ世代の共通経験がなく、同じ立場ではないから対話はできない、対話ができるのは同じ世代の友人である。同じ世代は、他の世代には通じない固有の言葉を作る、人は言葉でコミュニケーションする(p66)
・戦後の1949年に、金1オンス(31.1グラム)が、35ドルだったので、日本の慣例の1グラムでは、1,13ドル=405円であった(p73)
・3年以内の短期の国債は別にして、満期5年以上の長期国債を満期まで持つ銀行は稀である、国の現金の流れでは、1)外為市場(1日に200兆円の売買)、2)国債市場(200兆円)、3)株式市場(3.5兆円)、残高1200兆円の国債総平均では、6日で1回転している、つまり国債の保有期間は6日で売られている、米国欧州でも同じである(p81)日本の長期金利が2%に上がると、政府の国債、法人の負債、世帯ローン金利の利払いの合計は、3979兆円x2.0%=79.6兆円=日本のGDP:14.3%に相当となり、払えない。金利が2%に上がった時、負債の大きな政府、負債の大きな企業、ローン負債の大きい世帯の破産が順次起こっていく(p99)利払い不能の破産は、多分2023年末から始まり、24年に増え、24年末から25年初頭に最大になる(p101)そうならない場合、対外資産(1385長円=2022.5)は、米欧同時金融危機の時に生じるドル安・ユーロ安(=円高)による損失が問題となる。100円の円高になると、402兆円の為替差損になるだろう。個人の金融資産を失わない対策は、ゴールドの買い、だけだろう(p103)
・2023年末から、1)1.5%以上の大きな利下げ、2)量的緩和への逆転がない限り、最長でも2年(1年なら2024年6月)、1)過大な負債を持つ会社、2)ローン利息が払えない世帯が破産する(p114)米国では1世帯平均で2940万円の負債、50%の世帯は負債がないので、負債のある世帯の平均負債は、5480万円、多分各月50万円に増える返済と金利は、株・住宅を売って支払わなければならない(p117)
・戦前の1万円の国債の価値は、数字では同じ1万円であっても、戦後の実質的な価値(商品購買力)は、4年のハイパーインフレで、180分の1にきり下がった、これが、1)戦争でのGDP50%破壊と、2)GDPの2倍の円増発から起きた、国債・銀行預金・円の同時の紙屑化だった、戦前の1万円は180分の1の、55円に下がった(1949年)国債の下落率と通貨の下落率は連動する(p131)
・平均が1年2%のインフレだった米国の20年では、ドルの円に対する価値はドル高とは逆に、「1÷1.02^20=1÷1.49=0.67=80円付近」に下がるのが経済合理的である。その中で逆に2倍のドル高になった原因は、異次元間話の11年間、ゼロ金利の円でドル買いを超過買いしてきたから、なので、米国の住宅価格と消費財の物価は日本の2倍から3倍になった(p144)
・米国とサウジの王家との密約(ワシントン・リヤド密約)でペトロダラーは生まれた。そして、金に代わって石油を担保とするドルにした、1974年からドルの価値を保証するものが、金から石油に変わった(p164)原油の輸入支払いが目的の外貨準備のまま米銀とFRBに預金されれば、海外に出たドルは売られずに米国の銀行に還流する、海外が持つ外貨準備のドルは米銀に預金される。これがペトロダラー基軸通貨制である(p166)
・日本の貿易黒字が増えず、2011年から赤字になった原因は、円高ではなく、世帯貯蓄率の低下にある。世帯貯蓄率が世界一高いのは、住宅ローンにGDPの20%を使う中国である。経済学では、住宅ローンの返済は、不動産の消費ではなく「貯蓄」になる、このローン返済額がGDPの20%になると、銀行預金が増えなくても貯蓄率は所得の20%になる(p231)
・中国の不良債権比率は、中国のGDP 2500兆円に対して30%になる、日本の場合は実質がGDP 40%で、200兆円、その処理に15年を要した(1997年)中国の不動産価格の下落からわかるのは、日本の資産バブル崩壊に匹敵する、10年不況になっていくということ、中国の約30年の高度成長経済は、2023年に終わった(p258)しかし中国の銀行債権崩壊が起きて、30%マネーが縮小しても、中国銀行が世界の1〜4位を独占するのは変わらない。これがBRICS通貨の中核となる中国のパワーである(p262)
・戦後の米国外交の成功は、1)産油国の原油をドルで売ることにした、2)1990年まで最大の貿易黒字国だった日本政府と銀行に、ドルとドル国債を買わせた、3)1994年からは、その後世界一になった中国の人民元をドルペッグ制にした(p265)
・直近2年の日本株価上昇は、企業の業績期待による1株あたり純益増加ではない、1)コロナ対策の100兆円の財政支出が民間へのマネー供給、2)総額が56兆円にもなったゼロ・ゼロ融資によるもの、であり金融相場以外ではない、ウクライナ戦争後は、インフレと米国FRB利上げで横ばいであった。ところが、2023年4月から米国系ファンドが12兆円の先物による日本株買い越しから高値になった(p284)中国を除く日米欧の政府と中央銀行は、GDPの20%(16兆ドル=1400兆円)もの財政支出をして民間にマネー供給をした。戦争以外でこんな大きな財政支出をしたことはなかった、日本では企業向け支援金は52兆円、米国では200兆円はあるだろう(p290)
・原油、金属資源、穀物の決済つかがBRICS通貨に代わっていくから、2034年までの10年で53%に下り、1ドル=70円付近になる、これは円との購買力平価に位置する。現在のドルは、2倍は過剰評価されている(p334)BRICS参加予定国は、不要になった自国のドル外貨準備を売った金額の一部で金を5年から10年かけて、ゆっくり買い増していく(p343)米ドルは約5年で、2分の1に向かって下がっていく。逆に買いが増える金は、ドル価格で少なくとも4倍に上がるだろう(p346)
・貿易通貨のシェアの想定(2024-2028):1)BRICSデジタル通貨:40%、2)米ドル:30%(60%から半減)、3)ユーロ:20%(維持)、4)円を含むその他:10%(維持)(p348)金・コモディティペッグ国際通貨の利点は、原油・エネルギー資源・穀物が上がるときに金価格もほぼ比例して上がって通過も上がるので、加盟国でも現在のように資源インフレでもインフレにならない。ロシアから原油を1バレル60ドルで(国際価格の30%)で買っている中国が物価上昇ゼロのデフレ傾向であることも、これを示している。一方、金ペッグでない日加盟国はインフレになる、このため加盟国では、GDPの物価上昇を引いた実質成長がG7よりも数ポイント高くなる。(p348)
・信用通貨を大増発したコロナ戦争、ウクライナ戦争の戦後は、近代工業の石油革命からエネルギーと労働を節約する、AI産業革命だろう、日本にとって暗かった平成の30年、1世代の歴史は、2024−2025年に終わって過去の清算が済む頃、新しい世界が始まる(p348)
・現在は、円で中国からの輸入決済を行うときは「日本の輸入企業が銀行でドルを買う(円売りドル買い)→銀行のSWIFT回線で中国の輸出企業の銀行口座へ送金→中国の企業はそのドルを銀行で人民元に変える(ドル売り人民元買い)→輸出企業は人民元で仕入れ代と経費や人件費を払う」という形になっている、デジタル通貨では、媒介通貨のドル基軸通貨という概念が消えるため、各国の外貨準備高のドル(16兆ドル=2240兆円)は順次売られてドルのレートは下がる。SWIFT回線での国債送金は2〜4日かかり、ドルとの交換が2回あるので手数料が3%と高い、デジタル通貨の送金は瞬間であり、交換手数料は1%(p351)