suu3.jp 戻る

summary

日本の地政学

日本の地政学の写真

・マッキンダーによれば、世界島の心臓部にハートランド・ロシアがあり、その周りに内周の半月孤(リムランド)である、欧州・中東・インド・中国があり、その外側に、外周の半月孤である、イギリス・南アフリカ・オーストラリア・アメリカ・カナダ・日本がある(p21)世界島(ユーラシア、アフリカ大陸)をいきなり征服することは難しく、前段階がある。東欧を支配するものは、ハートランドを制し、ハートランドを支配するものは、世界しまを制し、世界島を支配するものは世界を制する(p25)

・日本とイギリスは共に「外周の半月孤」に属している、そしてユーラシアのすぐ近くに位置する島国である、地政学的にいうと、日本とイギリスは似ている。別の言葉で表現すれば「日本は東洋のイギリス」だ」ということになる(p28)

・マッキンダーは1904年に語っている、ロシアはかつてのモンゴル帝国に代わるべき存在である。ロシアが、フィンランドに、スカンジナビアに、ポーランドに、トルコに、ペルシャに、インドに、最近では中国に圧迫を加えている(p29)

・イギリスの黄金期を築いたビクトリア女王の在位期間は1837-1901年の64年間、イギリス王として歴代1位、昭和天皇の在位期間は1926-89年の63年間である。さらに私達が普段自覚していない超重要な事実として、「海に守られている」ことがある(p33)

・日本は「戦線を拡大しすぎた」ことが敗因として挙げられる、小さな日本は、満州で戦いながら、オーストラリアを攻撃、日本国内がスカスカになっていた、日本がアメリカに降伏した背景には、原爆投下とソ連参戦という2つの理由があるが「水の制止力が働かなかったわけではない」(p36)

・イギリスはロシアとの緩衝地帯を作るためにベルギーに進出(=朝鮮半島に相当)、それでドイツと戦争となるもこれに勝利(=日清戦争に相当)、イギリスはベルギーを併合(=韓国併合に相当)、その後、更なる緩衝地帯を作るためにドイツとロシアの中間にあるポーランドに傀儡国家を建国する(=満州国に相当)、ドイツがこれに反発し、イギリスと戦争を開始(=日中戦争に相当)、ドイツはソ連から支援を受けて、イギリスと戦うことになる。イギリスはこのようなややこしい動きをせずに(=大陸欧州に進出することなく)ドイツの脅威、ソ連の脅威を避けた(p41)日本は「水の抑止力」に守られているので、緩衝地帯はすでに存在していると考えるべきであった(p42)

・なぜ1970年代初め、アメリカと中国は和解したのか、これはハートランド・ソ連があまりにも強くなりすぎた(東欧、中国、北朝鮮の共産化に成功)から、1950年に朝鮮戦争が始まる、これはアメリカ・韓国対ソ連・中国・北朝鮮の戦いで、アメリカはこの戦争に勝てずに引き分けとなった、1960年代、今度はアメリカ・南ベトナムと共産ソ連・中国・北ベトナムの戦いに激化し、アメリカは敗北する。ソ連に勝つために、中国はシーパワー超大国アメリカと組むことにした(p54)

・中国が台湾を統一しようとしている、沖縄の領有権はない、と行動する理由は、中国はアメリカに対抗するために超大国になることを目指している、東アジア・東南アジアを中国側から見ると、日本・韓国・台湾・フィリピン・ベトナムが、新米勢力に包囲されていることがわかる(p59)

・ドイツ帝国と中国が似ていると思われる点、一党独裁体制、民族絶滅政策である(p78)

・2008年、アメリカ発「100年に一度の大不況」が起きて、1999年12月のソ連崩壊から続いていた「アメリカ一極時代」が終わった、そして「米中時代」が始まった、これより中国政府高官の態度が明らかに変化した(トロイオンス75)

・イギリスは外交革命によりドイツに対応した、つまり、フランスとの和解・ロシアとの和解・日本との同盟・アメリカとの和解、このようにして味方につけたのでドイツに勝てた(p87)

・中国の戦略は日本とアメリカを分断する、日本とロシアを分断する、日本と韓国を分断する、日本を孤立させて破滅させるであったが、安倍総理は、日米・日露・日韓関係を改善することで、反日統一共同戦線戦略の無力化に成功した、これはあまり知られていない安倍氏の偉大な功績である(p97)安倍総理のしたことは、本質的にイギリス・チャーチルがしたことと変わらない、日中戦争は、米中戦争に転化した(p102)

・2018年になると、トランプは習近平は嘘をついている(北朝鮮金政権を倒すための経済制裁)ことに気づいて、トランプ政権は仲介者としての中国を外し、北朝鮮を直接交渉することにした(p101)

・ロシアは2014年以降はずっと低成長が続いている、その理由は1)アメリカのシェール革命の影響で原油価格が低迷、2)欧米と日本の経済制裁(p154)

・中国共産党体制崩壊時に独立する可能性がある3箇所は、1)台湾、2)新疆ウイグル自治区、3)チベット、である(p156)

・日本の戦時中の話、「軍部が独走したからとか、そういう要素は確かにあった、でも当時は日本国民が戦争をやりたがっていた」指導者も国民も、しばしば戦略より感情を優先させる(p162)

・ソ連崩壊後のロシアは、賠償金を払う必要はなかったが、ソ連が崩壊した翌年1992年には2600%インフレが起きて、92-99年までにGDPは43%減少した。(p167)

・マッキンダーの処方箋を中国共産党崩壊後に当てはめるとどうなるか、中国にヒトラーが現れないようにする方法は、1)民主主義思想をどんどん普及させる、共産党が行ってきた悪事(チベット大虐殺、ウイグル人絶滅、天安門事件の真実など)を知らせていく必要がある。目指すは中国が「今のドイツ」のごとく民主的で人権を重視する国に生まれ変わること、2)中国に対抗できるだけの同盟(例:アジア版NATO:アメリカ・インド・オーストラリア等)を作ること(p171、173)

・ドイツがソ連を攻撃を開始したときに日本が即座に参戦して攻撃を開始したら、西からナチスドイツが、東から日本がソ連を攻撃する。ソ連は戦力が分散されて敗北する可能性が高まる。すると、ドイツはイギリス以外の欧州とソ連の西半分を支配、日本は朝鮮半島、満州、中国とソ連の東半分を支配することになり、アジアと欧州に「反米的な巨大帝国」が誕生することになる、だからアメリカは、ドイツがソ連攻撃を開始した1941年6月時点で日本を叩き潰すことを決めた(p180)

・第一次世界大戦が起きたとき、日本と同盟関係にあったイギリスは海軍のみならず陸軍の派遣も要請したが、日本政府はこれを何度も断り続けてイギリスは失望し、日英関係は悪化、日英同盟は気を決意した(p184)

・日本が現在の地位を維持するために必要な3要素は、人口・経済力(一人当たりのGDP)・軍事力である(p187)

・ロシアの出生率を上げた「母親資本」という制度は、子供を二人産んだ家族は大金(平均年収の2倍)もらえる、というもの。2007年導入、2013年に1990年以降初めて死亡率を超えて、2014年に過去最高(新生ロシア)となった(p188)