・年代史的に、日本でこういう事件が起きていたときに、世界ではこんなことが起きていたということを並列するのではなく、世界の動きが日本に与えた影響、世界の動きと比べて、日本に見られる際立った違いや特徴が、日本から見た世界史として書かれるべき(P13)
・ハンチントン区分を宗教の観点から見れば、1)中華文明:儒教・道教文化圏、2)日本文明:神道基本とした神仏習合文化圏、3)ヒンドゥー文明:ヒンドゥー教、4)イスラム文明:イスラム教、5)西欧文明:キリスト教、6)ロシア正教文明:キリスト教、7)ラテンアメリカ文明:キリスト教、8)アフリカ文明:イスラムとキリスト教の混淆(P17)
・人間観に決定的な影響を与えているのは、自然条件(P20)
・徳川幕府がオランダと門戸を開いたのは、プロテスタントだから、キリスト教布教を先兵として侵入し、侵略・征服し、収奪するカトリック勢力との違いを幕府が見抜いていた(P29)
・自然採集経済を基本とした自然状態とは、人間にとっては事が起きない、つまり戦争が起きないということの現れであって、不幸な状態だと考える必要はない、都市が始まる以前の世界のほうが平和であった(P33)
・農耕が開始されたことは、これまでの獲得経済から、自分たちで生産する生産経済に転換した、これは自然の豊かさの中で生きることができなくなった、農業革命は地球環境破壊の出発点(P34)
・1992年、青森県三内丸山遺跡が発掘された、これは紀元前5500-4500年前にかけて栄えた縄文時代の集落跡、狩猟・採集経済が行われ、集会場や神殿があった(P37)
・インダス文明は成立した場所で、舗装道路・下水設備・大浴場等が完備されていたが、流域の樹木が乱伐されたことで洪水が起きて、紀元前1800年頃に衰亡した(P39)
・古代文明によってつくられた様々なモニュメントが、実は、人工的につくり出された自然である(P43)
・日本の神話では、天地の中から生まれた伊邪那岐(いざなぎ)の左の目から天照大神、鼻から須佐之男命(すさのおのみこと)、神の一部が人間になった、中国の盤古神話では、盤古という怪物の体にたかっていた虫から人間が生まれた(P47)
・一神教は、基本的に移動(ゲルマン、中国、モンゴル等)する民族がつくり出すもの、その民族が土地との強固な結びつきを持たないので、土地やその自然に対する依存が少なくなる。争いが生じるので言葉が重要になり、これが一神教がつくられる基本になる(P51)
・民族が移動するために、土地にまつわる神話が断絶する、日本の場合は同じ土地に暮らし続けているので、その神話と歴史が連続する(P57)
・朝鮮は一つにまとまらず、4世紀頃には、高句麗・新羅・百済に分裂、日本と密だったのは百済(P59)
・朝鮮は、日本統治下でハングル語綴字法(ていじ)法統一案が考案され、朝鮮人が朝鮮語の発音通りに文字を書けるようになった(以前は正式文書は漢文で操れるのは両班階級)、ハングル語が当然となっている土台は日韓併合時代に築かれた。(P63)
・ペルシアの侵攻に対して、アテネを中心に200余りのポリスが、デロス同盟を結成した、これに対してペロポネソス半島の諸ポリスは、ペロポネソス同盟、これで敗れた(紀元前431-404)アテネは、ギリシア世界が崩壊した(P74)
・出雲地方にあった勢力(西日本を中心にした「海人」)が、大国主命を中心に支配していた、それに対して東国の「天照大神」を拝する縄文時代からの勢力が九州と結んで、交渉により国譲りされた(P93)
・徳川家康が天下を制しているが、内部は各藩に分かれている、この形の上に新道という宗教の精神性をい備えた権威である天皇がいる、この天皇の存在により日本の統一は保たれる(P105)
・聖徳太子は皇子という身分だったので、基本的には神道の祭司、太子が仏教を取り入れたことで、神道の中に仏教が入っていったというのが重要(P112)
・イスラム勢力であるサラセン帝国は欧州を侵攻したが、これに対してフランク王国のカール・マルテルは、73年にトゥール・ポアティエの戦いで勝利し、これから欧州が力をつけていった(P121)
・イスラム世界では、科学・数学・医学・天文学等が発達し、グレゴリウス暦よりも正確な、ジャラリー暦もつくられた(P127)
・1942.2.15、イギリス領のシンガポールにおいて、パーシバル将軍率いるイギリス連合軍は、日本陸軍に降伏、これによりイギリスの世界制覇が最終的に終止符をうつ節目になった、これ以後イギリスは東洋から撤退した(P134)
・古いものと新しいものの共存・共立が、日本の歴史の継続性、文化の継続性を保障している、これが中国と日本の最大の違い(P143)
・南ドイツの3万キロくらいだった銀が、1570-1630年の間に、アメリカ大陸から20万キロが入ってきたことで欧州が豊かになった(P192)
・最初にイギリスと闘った薩摩、それから4国艦隊と戦った長州の両者が、一番敏感に植民地主義に危機感を覚えた(P211)
・オランダは、日蘭貿易によって獲得した日本の銀によって、17世紀の隆盛を築き上げたといっても過言ではない、1668年に幕府がオランダ船による銀輸出を停止すると、オランダは急速に衰退した(P236)