・原油価格の上昇の流れは、2014.11.27のOPEC総会における決定によって完全に逆転した。特にサウジが逆オイルショックを放置した、つまりOPECは価格カルテルとしての機能を放棄した(p19)
・原油WTI先物が54ドルまで下がり、約120ものシェールオイルガスの採掘を行っているシェール関連上場企業の株価が大きく下落した。(p23)
・シェールオイルの生産コストは地域によってかなり大きな幅がある。最も安いところは1バレル1ドル、高いところは30ドル。安いコストで生産できるところがあるので、簡単にはとまらない(p24)
・一度掘り当てれば出続ける中東の油田と異なり、最初の数年でピークに達する。採掘用建屋も移動可能な簡便なものなので、採掘量を調整しやすく、価格への対応力にも柔軟性がある(p25)
・サウジが生産枠を維持した理由が、シェール潰しでないとすると、ターゲットはロシアである。そのために逆オイルショックを放置している、ロシアがOPECに加入しない限り続く(p25、27)
・2014.7.17マレーシア機がロシア製地対空ミサイルで撃墜されたが、その犯人は新ロシア派とされ、7月末から対ロシア経済制裁をしていて、お互い応酬しているが、ロシアへの打撃が大きい(p30)
・2014.11.10には、ルーブルの値幅制限を設けていた通貨バスケット制から変動相場制へ移行せざるを得なくなった(p30)
・ロシアは政策金利を17.0%へ上げた(2014年になって6回目)が、直後にルーブルは1ドル78ルーブル(67から)へ急落した、大幅な利上げもルーブル下落防止には役立たなかった(p31)
・ロシアは、ルーブル下落と逆オイルショックにより、経済は崩壊し、エネルギー産業もつぶれてしまう、それを防ぐ手段は、欧米諸国とサウジに屈服することだけ(p40)
・アメリカのガソリン価格は、2014末に1ガロン2.2ドル(半年前の4割安)まで下がった、これにより、ピックアップトラックやSUVといった大型車の売れ行きが8年ぶりによくなった。2014年販売台数は7年ぶりに1600万台を超えた(p47、74)
・逆オイルショックは日本経済にプラスになるとはいえ、打撃を受ける業界として、石油化学会社、国内14か所のエチレン工場の生産能力は過剰。更に石油元売り会社もそうである。出光興産が昭和シェルに対してTOBによる買収交渉に乗り出した、これによりJXとの二強時代が出現する(p53)
・JXが燃料電池車用の水素スタンドを導入するとしているが、これは経営判断として誤り。理由は、1)水素は危険、2)建設コストが高い、3)逆オイルショック(p57)
・2014.12には、メタンハイドレード埋蔵量調査を発表した、4海域(島根県隠岐、新潟県上越沖、秋田山形県沖、北海道日高)において、746か所で新たにメタンハイドレードが確認された。以前の225か所を含めて合計971箇所で確認されたことになった。(p60)
・欧州では環境保護派が、シェールガス開発に猛反対している、ドイツ・フランス・ブルガリア(p62)
・円安の大きな要因になっているのが、日本にだぶついている長期資金、10年物の長期国債利回りが14年末で、0.3%で世界で最も低い。アメリカ、2.1%、ドイツでも0.5%程度、2015年になってさらに下がっている(p67)
・日本が明らかに世界一資金に余裕がある国なので、余裕資金に目を付けた世界の一流企業が日本から資金を借りていく、それが円安をもたらしている。これは投機ではなく、世界的なドルの実需に日本の金融機関が応えていることに外ならない。住宅ローンよりも、一流企業が相手がはるかに旨みがある(p69、70)
・2014.11の貿易統計では、0.89兆円の赤字である。円の為替レートと輸出とは関係ない。製品の輸出構成において、消費財は20%であり残りは生産財・資本財である。これらを買うのは企業だから(p71)
・資本財は契約から出荷までタイムラグがあって、長ければ2年、海外の企業とドル価格で契約してから、納品後に代金が入ってくる。円安になっていれば大きな差益が入る(p73)
・円の為替レートは、2015年内には1ドル125から130円になるだろう、日経平均は2万5千円台まで行くだろう、株を買うチャンスである(p80)
・アベノミクスの「民間投資を喚起する成長戦略」の一環で、資金の移動について金融機関の規制が撤廃されたことで、メガバンクは長期資金を自由に外国へ移動できるようになった(p93)
・日本の個人投資家は、ムーディーズのような格付け会社を相手にしてはいけない、リーマンショックにより完全に権威を失ったから(p102)
・現金でドルと円を持っていてもいいのだが、流動性が高いMMFでもよい。ただし、ゴールド(金)は投機的には値下がりするので持ってはいけない(p104)
・現時点では大企業に対する解雇規制が非常に厳しい、人員整理の必要性・解雇回避努力義務の履行・被解雇者選定の合理性・解雇手続きの妥当性、この4要件を満たせるのは、事実上、倒産寸前か倒産後のみ(p112)
・日本企業に求められる人材としては、まず、トリリンガル(日本語、英語、中国語)、そして微積分を理解して、コンピュータ操作ができること(p119)
・電炉製鋼は、銑鋼一貫方式とくらべて、鋼1トンをつくるのに0.1トン(vs0.5トン)で済む。もはや銑鋼一貫方式は時代遅れ(p139)
・現在では超高層ビルでも、鉄骨を使うことなく、鉄筋コンクリートでできるようになった、東日本大震災の揺れを受けてもびくともしなかった(p139)
・アメリカ経済が上昇しているのは、世界でただ一国、シェール革命が起きているから、大規模開発と実用化に成功したから(p143)
・アメリカの「州」の行政区分である「郡」から富裕層だけが暮らす「市」を独立させればいいことになっている。手法としては、富裕層が州議会を動かして実施した住民投票で、過半数の同意を得て、合法的に「市」をつくる。境界線も富裕層自身で決めれる(p163)
・ユーロ圏18か国のうち、16か国(ギリシア、キプロスは除外)について、EU財政規律を順守しているかを調査し発表した(2014.11.28)。順守しているのは、ドイツ・アイルランド・ルクセンブルク・オランダ・スロバキア、概ね順守が、エストニア・ラトビア・スロベニア・フィンランド、順守していないのが、ベルギー・スペイン・フランス・イタリア・マルタ・オーストリア・ポルトガル、となった(p180)
・中国の輸出を占うとされるのが春と秋にある、広州交易会である。今回はホテルの室料金が半値になるところもあった(p187)
・日本企業の強みとして、経営者の自分の会社に対する個人保証であり、この点は、大企業でも中小企業でも同じ。そのような緊張感を持っている経営者が多いので、日本の企業は強い(p208)