・地政学とは、地理政治学のこと、地球上には土地があり、土地の上に人が住み国家があり、しのぎを削っている。その中から生まれた知恵が地政学である。土地という動かない条件を前提に、国家が生き残る術を研究する学問である(p3)
・白村江の戦いのころの朝鮮半島は、日唐代理戦争の舞台であった。朝鮮半島というシアターで、日本と唐というパワーズがヘゲモニーを握って争っていた。百済や任那がアクターとして存在しているうちはパワーバランスがとれていたが、新羅がパワーズになろうとして戦いがおきた。高句麗を滅ぼした後に、渤海が登場してチベットに脅かされるようになると、新羅は日本に詫びをいれてきた(p17)
・キリスト教は、奈良時代には伝来している、ネストリウス派「景教」である。これは、カトリックとプロテスタントから異端とされている(p19)
・三十年戦争において、フランスがプロテスタント連合について、カトリックのハプスブルク家を粉砕したので終わった。宗教で敵味方が分かれなくなったので、欧州ではこれを機に宗教戦争はなくなった(p23)
・江戸幕府は鎖国によってキリスト教を追い出したのではなく、プロテスタント側についた幕府がカトリック勢力を追い出したのが鎖国である。三十年戦争でプロテスタント側・オランダについたこになる(p25)
・中立は戦争している両者の敵になること、両方の陣営から、「こいつを相手にしたら厄介なことになる」と恐れられるだけの実力が必要(p26)
・7年戦争(1756-65)の頃の欧州の大国は、英国・フランス・オーストリア(ハプスブルク)・プロイセン(後のドイツ)・ロシア、であり、30年戦争でプレーヤーであった、スペイン・スウェーデン・オランダは没落した(p27)
・ロシアとトルコの戦争は、数え方では19回あるが、結果は大体ロシアの勝ちであるが、そのたびにイギリスが介入して、地中海に出てくるなと圧力をかけられた(p34)
・中南米からの麻薬・移民・スペイン語の流入はアメリカにとって頭痛の種、最も怖いのが、スペイン語。これが流入すると、WASP(白人、アングロサクソン、プロテスタント)の支配が危うくなる(p36)
・イギリスはスペインの力が北へ及ばないように防ぎ、ロシアはスペインを助ける、そのため、アメリカ大陸は英露代理戦争の舞台となる(p37)
・海戦史上、戦艦と戦艦がぶつかりあわない初めての戦いが、1894年の日清戦争。このような戦い方の変化を生んだ技術革新は、蒸気船の開発であった(p39)
・ウィーン体制は五大国の集団体制だが、実質的には英露が対立している、ロシア・オーストリア・プロイセンは三国の鋼鉄同盟で結ばれている(p41)
・幕末において、イギリス・ロシアと組んでも飲み込まれるしかなかった。オランダは弱体しており、日本を呑み込めないが、大国に対してものを言える程度の国として、アメリカを選んだ(p53)
・国際社会において武器となる「鉄・カネ・紙」において、鉄=軍事力、カネ=経済力、紙=外交力、文化力、宣伝力である(p54)
・欧州では、伝統的に平民は警察が、しょっ引いてもかまわないが、貴族は尊い存在だから警察は手出しできない。この場合は本人同士が決闘で解決する(p56)
・国際連盟のリットン卿は、満州国の独立は認めないが、一切の干渉を許さず、日本の満州における権益はすべて認める。これはブルガリア方式と同じであったが、これを日本は蹴ってしまった(p81)
・イギリスの日英同盟の狙いは、日本とロシアを戦わせること、日露戦争の前にフランスとの間に英仏協商を結んでいる、両国が日ロの戦いに介入しないというとりきめ(p106)
・正式に、日本・モンテネグロ間の戦争終結を確認させたのは、鈴木宗男議員で、日露戦争から102年後の、2006年であった(p108)
・戦わずして大国として認知される方法が、大国が絡む戦争の講和を仲介すること(p109)
・第一次対戦において、帝国海軍は太平洋のドイツ植民地をすべて駆逐するだけでなく、カナダから地中海までの治安を守り、ドイツに無制限潜水艦作戦をさせなかった(p135)
・1916年10.19のロンドン宣言の加入は、日本外交史の金字塔である。この日こそが大日本帝国が名実ともに世界の大国として認められた日である(p139)
・フランスは賠償金の遅払いを理由に、ルール地方を軍事占領したことがあるが、現地ドイツ人のデモとボイコットで立ち往生して引き揚げた(p161)
・イギリスとフランスは敗戦国であるドイツから賠償金を取り立てる、同じ戦勝国同士でも、フランスはイギリスから借金していて、さらにアメリカから借金している、イギリスもアメリカから借金している、アメリカはドイツに投資しているので、これによりドイツが多額の賠償金を払うことができる(p188)
・上陸をさせない水際作戦から、島の内側にこもって要塞化し、上陸した敵を叩くという、作戦に切り替えたことが、ペリリュー島・硫黄島・沖縄におけえる敢闘につながった(p232)
・アメリカは東欧もアジアも共産主義者にとられて、実は自分は何も得ていないことに気付く。ソ連と毛沢東は敵だと気づいたので、1948年にマーシャルプランを発表して、西欧諸国を支援する(p245)
・冷戦終結は、1989年のベルリン壁の崩壊ではなく、91年のソ連崩壊である(p252)
・ドラえもんの世界において、のび太は小突き回されてばかりで諸悪の根源、これを解決するには、のび太が強くなるしかない。のび太が強くなると、ドラえもんの登場人物は結束する、映画版ではそんな話ばかり(p295)