・気持ちが若く、いろいろなことを続けている人は長い間若くいられる。栄養状態の良し悪しが健康寿命でいられるかどうかを決める。それ以上に重要なのは、人々を長生きさせる医療と、健康でいさせてくれる医療は違う。例えばコレステロールというものは長生きの敵のように言われているが、コレステロールの高い人ほど、うつ病になりにくいし、それが男性ホルモンの材料なので、男性ではコレステロールの高い人ほど元気で頭がしっかりしている。血圧や血糖値にしても高めの方が頭がはっきりするので、薬でそれを下げると頭がぼんやりしがちである(p5)
・戦後の結核の撲滅は、ストレプトマイシンという抗生物質のおかげだと考えている人も多くいますが、実際はタンパク質を多くとるような栄養状態の改善が免疫力の向上をもたらせたことによって可能となったのが真相である(p14)
・私たちの身体は、肝臓や腎臓、肌なども、その細胞は細胞分裂をしていて、時間と共に新しい細胞に入れ替わっていく。しかし唯一、脳だけは原則的に新しい細胞を作らない臓器である、脳の神経細胞は、細胞分裂をしないで同じ細胞を使い続ける(p24)
・亡くなられた方々の病理解剖の報告に毎週、筆者は接していたが、その時にわかったのは、85歳以上の形でアルツハイマー型認知症の変性が脳にない方はいないということ、つまり、それくらいの年齢になると脳は確実に老いていく、85歳を過ぎれば、脳の病理としてはアルツハイマーになっているのが普通である(p26)
・高齢者の方が、身体能力は脳機能において、個人差が格段に広がっている。このような健康格差が生じるということが、これからの社会の特徴となる(p33)
・70代にもなると男性ホルモンの減少が進み、それが行動意欲の低下となって現れる、この意欲の低下こそが、老化で一番怖いことである。意欲の減退が要因となって一気に年老いていく。こうした意欲の低下が顕著になるのが、まさに70代である、70代から80代に向けて元気に過ごすことができるかどうかは、70代に老いていかに「意欲の低下」を防ぐかにかかっている(p37)そのためには、70代で意図的に良い習慣をつけること(p43)誰かと協働し、誰かの役に立ったり、誰かに必要とされていると感じることは、いつまでも現役意識を維持することに大いに役立つはず(p50)
・働き続けるべきだが、歳をとってからの働き方は、若い時のものとは変えるべきだと思う。お金や効率だけを求めるような働き方から、自分の経験や知識を生かして、誰かを助け、社会の役に立つということに価値をおいても良いのではないか(p54)
・70代の生活で気をつけるべきポイントは、1)活動意欲を維持する、2)運動機能を維持すること(p66)
・セロトニンの減少は意欲も低下し、うつ病のリスクも高まっている。この対策としては、肉を食べること。肉にはコレステロールも含まれている、コレステロールを減らすことによってもたらされる男性ホルモンの減少を恐れるべき、コレステロールは男性ホルモンの減量になる(p69)
・適度な日光浴をする習慣も、意欲の低下を防ぐには効果的である。人の意欲と密接な関係のある脳内物質・セロトニンは、光を浴びるほどたくさん作られる(p71)
・何か学びたいことがあるなら独学はせずに、スクールやサークルなど何人かの集まりに参加して学ぶ方が、前頭葉を使う。他の参加者と意見交換するようなアウトプットする機会を恵まれるので前頭葉を使うことになる。得た知識を、これまでの経験や他の知識を使って加工し「自分の考え」として述べるときには前頭葉は活性化される(p80)高齢になったら、一生懸命勉強するよりも、これまでの知識や経験を自分なりの意見に加工してアウトプットすることを意識的に行って下さい(p82)
・歳をとっても弱る筋肉と弱らない筋肉があり、階段の上り下りにおいては、実は下りる時の筋肉の方が先に弱る。階段では下りの練習をした方が良い(p86)
・転倒リスクへの対処としては、服用している薬の見直しがある、夜眠れない場合の安定剤は、筋弛緩作用があるので転ぶ危険性がある(p89)
・宮城県で5万人を対象に大規模調査をしたところ、痩せ型の人の方が、やや太めの人より6−8年早く死ぬことが明らかになっている、最も長生きなのは少々ふっくらしたタイプ(BMIで25-30)である(p93)
・日本で動脈硬化によって死に至る人は欧米より格段に少なく、死因のトップは癌である、がん予防に一番大切なのは免疫機能を維持すること。食べたいものを我慢するのは、動脈硬化を防ぐかもしれないが、免疫機能は低下させる、すると癌になるリスクは高くなる。美味しいものを食べるとき人の前頭葉は大いに活性化する、節制することでタンパク質やコレステロールが不足しがちになると、セロトニンや男性ホルモンが減少してしまい、うつ病になるリスクが高まる(p98)
・70歳を過ぎたら、好きな人・気が合う人と付き合いましょう、話題が会う人、なんでも言いたいことが言い合える相手が理想的である。(p102)嫌なことはやらない、ただやらないのなら、その代わりに「まだこれならできる」という別の何かを考えてみるのも良い(p104)
・日米両国の疾病構造の違いがあるにもかかわらず、日本は血圧と血糖値を下げて心血管障害を減らすというアメリカの医療原則を、そのまま運用しているのが現実である(p108)
・日本の健診で示される「判定」のほとんどは、健康と考えられる人の平均値を挟んで95%の人を正常とし、そこから外れた5%を異常とする統計的なものである。異常値と判定された人が病気になるという明らかなエビデンスはない、病気との因果関係がはっきりしているのは、血圧・血糖値・赤血球数などの5−6項目くらい(p116)
・もし心筋梗塞や脳梗塞を本当に予防したいならば、心臓ドックや脳ドックをお勧めする(p117)心臓ドックは心臓を取り巻く冠動脈のどこかに動脈硬化が進んでいるぶぶんを見つけられる、脳ドックではMRIを撮れば脳に動脈瘤があることを発見できる(p118)
・70代にもなると医師の発言に対して気をつけるべきポイントがある、日本の医師は長生きの専門家ではなく、自分が担当する臓器のスペシャリストである。自分の専門臓器においては問題ないということ、消化器内科は消化器の健康のために患者を見ているに過ぎない(p130)
・リタイアした人にとっては趣味があるかどうかはとても重要である、特に男性にとってはリタイア後に老け込むかどうかに大いに関わっている。理想的なのは、仕事をしている時から、リタイア後も続けられるであろう趣味をすでに見つけておくことである(p156)70代のうちに趣味の活動などをしていた人は、80代でもそれを続けている場合が多い(p161)
・日本人はもっと親が元気なうちに親孝行をすべきである、美味しいものを食べに連れて行ったり、旅行をしたり、大切な経験を積み重ねるべきである。それがあれば親との別れを迎えたとしてもその経験が罪悪感や喪失感に苛まれることを救ってくれる(p170)
・70代になったら、自分のことだけで生きるのではなく、周りの人のために尽くす生き方に少し変えていった方がいい(p186)