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summary

光と影のTSMC誘致

光と影のTSMC誘致の写真

・チッソが引き起こした公害による賠償は、チッソに対して政府が資金を貸し付ける形で支払われている、チッソという民間企業が私利を貪り、健康被害は住民、その賠償は政府の力で賄われている、いかなる公害を起こしても彼らは何も失わないという構造になっている(p6)

・TSMCは先端半導体の分野で9割、車載チップでは7割を占めている、その車載チップが足りないのは、大手が供給を絞ったから、TSMCは彼らと関係の深い中国系企業やフォックスコンの自動車製造ビジネスを支援するために、日欧米系自動車メーカへの供給を意図的に絞った、中国製自動車が増産され、前年比倍以上(2019年100万台、2023年400万台)が出荷されている(p13)

・TSMCはアメリカでも工場を立ち上げているが、アメリカ人労働者に残業代を払うことを嫌がり、批判t的な態度をとり、彼らの給与をカットして、台湾から労働者を派遣し始めた、こういったことが外国では普通に報道されているのに、日本では「親日のTSMCは友達だ、救世主のTSMCのおかげで日本の半導体は蘇るだろう」と言いう甘い幻想から目覚める様子はない(p27)

・半導体不足で最も打撃を受けているのは、通信産業ではなく、自動車産業である、それなのに、半導体製造への助成金拠出の法的根拠が5G促進法であって、自動車産業促進法でも半導体製造促進法でもなkった、深刻に不足している車載マイコンチップとは関係のない「特定半導体」と呼ばれる通信チップ(TSMC,マイクロン、キオクシア)のみに税金が流れるように限定した(p30)

・日本政府が半導体不足だからという建前で、TSMCに助成金を出して誘致をしたが、TSMC熊本工場(JASM)が製造する予定の半導体チップは、自動車メーカが必要とする車載チップとは別のチップであるのが奇妙である(p36)

・ホンダは埼玉工場でのオデッセイ、レジェンド生産を完全に中国へ移転した、2023年秋以降は、広州工場からHEVとして逆輸入で日本に入ってくる、半導体不足から長らくホンダは、中国系電子商社からいじめ抜かれた、車載チップをこれまでの10倍から数十倍の価格で買わされ、採算が合わなくなるかもしれないと購買部門を悩ませ続けた、結局、あっさりと国内ラインを閉鎖した中国に移管した(p 51)

・日本の半導体産業が凋落した本当の理由は、日本の政治家と経営者の愚劣極まる政策が原因である、中国・韓国・台湾は政府主導で半導体製造に力を入れてきた一方で、日本の政治家や経済官僚は、日本の技術をそれらの東アジア諸国に移転することを推進してきた(p58)

・熊本菊陽町に存在する前工場が年間に使う水の量は400万トン程度だが、それを超える水(438万トン)を一社で使う。それが許されるのは、工業用水法という法律がザル(数地規定が無い)だから(p62)

・「滋養」と呼ばれる農地や水田など地下水に水が浸透していく用地を増やす努力をすることで、環境アセスメントを受けなくてもいいという緩和要件がある、これは企業と政府との間でよく使われるトリックであり、工場建設で滋養とされる農地が減って工業用地に転用されても、企業が農家から野菜を買ったり、財団に事業事業協力金を払ったりするだけで環境保護を行なったことにできるスキームを利用している(p76)

・アメリカの半導体製造工場の労働者、特に女性労働者に流産などの異常が起こった、その原因が工場の有害物質であるということで、アメリカは該当の物資の使用を中止していくと約束した、しかし実際はコストの安い韓国や台湾に移り、有害物質を使用し続けていた(p95)

・再生可能エネルギーは、環境に良いというイメージを持たれているが、大規模に設置すれば自然や生態系を大きく破壊し、環境を重大に汚染する、洋上風力発電を有明海に設置する場合、建設時や運用時の漁場の変化、消失、漁場へのアクセスの喪失、海中騒音による海洋生物への悪影響、潮の流れの変化や、返し波、濁りの発生、電磁界などの心配がある。水中音によって、魚に内臓の血腫や、内出血などの障害が発生することが分かっている、カレイ類、ホッケ、ハタハタなどの無鰾(浮袋)魚は特に、音圧の影響を受けやすい、鮭やウナギは地球の自然磁場を利用して回遊するので、有明海のウナギも影響を受けるだろう(p105)

・PFSA(半導体の製造に不可欠な有機フッ化化合物)は、工場からの排水とともに放出され、土壌や地下水など環境中に蓄積され、また人への有害性と生態蓄積性も指摘される。一部のPFSAについては、2025年にも欧米で廃絶する方向へ進んでいるが、日本は例外的にPFSAを使用できる用途として、半導体のエッチング剤の製造などを定めている(p135)

・台湾の廃棄物処理は、低価格の業者が落札するため、利益がほとんど出ないほど値切られている。それが原因で、リサイクルを請け負う業者は、高額なリサイクル処理をせずに回収した廃棄物を簡単に固形化して粉砕したのちに、一般廃棄物に隠して処理している(p162)