・日米当局は、QEがデフレを解消して景気テコ入れすると宣伝しているが、実際には国際金融システムの延命を狙った債権金利の引き下げ策であり、デフレや不景気は長期化する(p4)
・今回の金融世界大戦で漁夫の利を得るかもしれないのは、中国かも。中国はBRICS諸国と組み、貿易決済をドル建てから元建てに替えたり、格付け機関を作るなどの試みをしている(p9)
・米覇権を潰すなら、軍事ではなく債権金融システムの崩壊を誘導するのが得策であること、中露は知っている。原油高を前提に巨額のジャンク債を発行しながら運営されているシェール石油産業を破綻させて金融システムを崩壊させる動きもある(p10)
・2014.10末にアメリカがQE3を終了した際に、元FRB議長のグリーンスパン氏は、金相場が5年以内に上昇しそうだと発言した(p20)
・影の金融システムである債券金融システムの総規模は、2013年1年間で5兆ドル増えて、75兆ドルとなり世界GDPよりも2割大となった(p24)
・QEの副作用の一つは、投資・ストックオプションで設けている大金持ちをますます富ませるので、格差が拡大する(p25)
・今回のアメリカバブルは、金融機関が直接に住宅を買っている(p36)
・金価格は13年4月以来、二度に渡って先物主導で暴落させられている、中国では国際相場よりも10%近く高い金地金でも安売りになっている(p37)
・2002年には、アメリカ企業は調達した資金の50%を本業投資、15%を自社株買であったが、今では40%しか投資せず、30%以上を自社株買いをしている(p45)
・購買力平価で測定した経済規模は、14年中にアメリカは中国に抜かれた、日本はインドに抜かれて4位(p46)
・サウジアラビア、クウェート、イラン、イラク、ロシアなどが結託して、アメリカのシェール産業を潰そうとしていることが確実になっている(p54)
・オランダの東インド会社は、200年間の平均株主配当率が18%、英仏西は国営であった。徳川幕府は領土野心の少ない貿易共和国のオランダを選んだのは世界情勢をかなり理解していたことを意味する(p76)
・ドイツ統一の中核となったプロシアは、18世紀後半からユダヤ人の移民を受け入れ、経済を発展させて国家財政を黒字化した(p85)
・コロンブスらが15世紀に中南米まで出かけたのは、スペインがキリスト教を強化する目的でユダヤ人に追放令をだし、ユダヤ資本家は探検費用を出して新天地を探す必要があったから(p89)
・国際連盟を提唱したウィルソンに対して、イギリスはフランス等の欧州諸国を巧みに誘い、議論をイギリス好みの方向に誘導した結果、英国主導になった。なので米国は国際連盟に入らなかった(p97)
・米英は、大西洋憲章を締結する1か月前にソ連を引き入れて、ソ連が連合国を支援する見返りに、ドイツの影響圏だった東欧をすべてソ連の影響圏として認めた(p103)
・アメリカの軍事産業が望む「儲かる戦争」とは、空軍と海軍の新兵器を使って圧勝する短期決戦(p115)
・EU誕生により、欧州内で敵対しがちな、ドイツとフランスは恒久的に統合され、イギリスの歴史的な大陸分断戦略は永久に無効化された(p116)
・韓国ウォンは事実上、すでに人民元にペッグ(為替固定)している、そのほか、インドネシア・台湾・マレーシア・シンガポール・タイが、ドルよりも人民元に対して自国通貨をペッグしている。ドルを重視している
のは、日本・ベトナム・モンゴルくらい(p145)
・ドイツ金融監督庁長官は、金地金と為替に関する国際銀行界による不正操作は、LIBORの不正操作よりも悪質だと述べている(p178)
・金が2000ドルを超えて上昇すると、ドルと米国債の崩壊の引き金になりかねなかったので、先物売りをして相場を引き下げた(p179)
・JPモルガンやスタンレー等の大手銀行が金の現物取引から撤退しているのは、地金の在庫が減っているから(p181)
・FRBはQEで購入した4.5兆ドルの債券を保有しているので、それを再投資することで非公式に縮小版QEを続行できる(p187)
・CICA(アジア相互協力信頼醸成会議)は24か国が加盟して、中国ロシアが全面にでているが、アメリカ・欧州・日本は参加していない(p197)
・中国の住宅価格は年平均9%上昇しているが、都市住民の名目所得は13%増加している(p208)
・米国は公式統計の季節調整値の算出方法を毎月変更して失業者を低く見せている。出生死亡モデルを操作して、雇用が増えていなくても6.2万人の雇用増となるように調整している。これらの粉飾を除くとアメリカの失業率は30%くらいだろう(p218)
・アルゼンチンはデフォルト(2014.7.31)によって、米国覇権下の金融システムから離脱し、BRICSが作る相互通貨建て金融システムに移行した(p228)
・銀行救済は公的資金をつぎ込む、ペイルアウトではなく、大口預金者や株主の債権を没収して使う、ペイルイン方式に転換することを2014年にG20が正式決定している(p267)