・歴代三代社長は、「チャレンジ」と称する過剰な利益上積みを各自業部門に繰り返し要求していた。社長が出席する会議で「チャレンジ」という形で示された数値目標は必ず達成しなければならないものと位置付けられ、強い圧力が各事業部門にのしかかった。これが、東芝を組織ぐるみで不正に走らせたキーワードであった(p38)
・押し込み販売とは、液晶やメモリーなど、パソコンの主要部品を東芝が調達し、通常より高い価格で製造委託業者に売る。業者が製品にしたパソコンは東芝が買い戻して販売ルートに載せる(p42)
・08年から巨額の部品押し込みが行われた結果、パソコン事業の月別の損益は、一時、四半期末月の営業利益が売上を上回るほどの異常な状態となった(p46)
・東芝が業績でここまで窮地に追い詰められた原因である、子会社の米原子力大手ウェスティングハウスについて、まったく触れられていなかった(p56)
・最初の報告書に書かれていないこととして、1)西田氏と佐々木氏の激しい対立、2)子会社ウェスティンぐハウスの経営問題、3)東芝の決算を監査した新日本監査法人の責任問題、である(p58)
・将来、利益を上げることを前提に、資産として計上することが許されている項目として、「のれん」や「繰り延べ税金資産」がこれに当たる。何等かの事情で利益を上げられなくなったら、資産から外して損失として計上しなければならない、これが減損である(p72)
・東芝は買収時、20年までに世界の原子力需要は原子力発電所で約130基相当分拡大する、と見込みを明らかにしていた。当時の東芝の原子力事業規模は約1500億円、ウェスティングハウスを傘下に収めたことで、15年に約7000億円、20年には9000億円になると予想した(p74)
・高い利益を上げなければ、のれん、繰り延べ税金資産の減損に繋がりかねない状況であった。そうした中で、歴代3代社長が「チャレンジ」と称して過剰な利益を部下に求めた(p76)
・東芝は、旧三井財閥系の有力企業、三井不動産・三井物産といった三井グループの中核企業の親睦会「二木会」のメンバーである(p86)
・東芝の場合は、9月に不正会計問題で、「特設注意市場銘柄」に指定されている(p132)
・親会社の東芝の連結決算は、同業他社の市場評価との比較をせず、将来の収益予測だけで評価した。(p142)