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summary

2040年の新世界

2040年の新世界の写真

・3Dプリンタは、人間や従来の製造機械のやり方で物を切ったり、型で作ったりしない。物体を層状に形成すると、より多彩なデジタル化されたコンセプトを物理的に出力できるようになる。形状のデザインに精密な中空部分や、連結した部品があれば、3Dプリンタは、そうしたデザインを現実世界で実現できる最初の出力装置となる(p21)

・3Dプリンタは物体を積層して作るので、従来は自然界でないと不可能だった形状も実現できる。問題は原子が思いもよらぬ形で組み合わさることにある。デジタルなデザインは、作ってみると重力の試練や素材の制約に耐えられず、崩壊することがある。これに対してデジタルな世界は、われわれの想像に、柔軟さと創造的な自由を与えてくれる。(p25)

・スキャン技術と3Dプリンティングが組み合わさって、現実世界とデジタル世界とのあいだで高精度な形態移行が可能となる。現実の物体をスキャンし、編集・複製して、正確なレプリカを作ったり、元の物体を改良できる(p39)

・大量生産の隠れたコストとして大きなもののひとつは、バラエティが犠牲になる。規模の経済をメリットを享受するため(p43)

・大量生産は、まだ携帯電話のネットワークではなく、公衆電話に近い。数十億台の携帯電話と同じく、いつかものづくりは、何百万・何千万もの自律的な生産拠点で構成されるようになるかもしれない、中小メーカの巨大なネットワークを土台として築かれる分散型のシステムとなるだろう(p76)

・テクノロジーの核心は、一般の人々が新しいツールを手に入れて、それを日常生活に利用するときに起きる。新しいテクノロジーがどこにでもあるようになると、革命を引き起こせる(p79)

・マイクロスケールの取引は、国際取引をすばやく処理する通信テクノロジーと、オンラインバンキングのおかげで可能となっている。2009年の時点で、およそ7400万人が、総額380億ドルのマイクロローンを受けている。返済率は95%で、これは大手銀行や国家の返済率よりも高い(p104)

・3Dプリンタには2つの系統がある、第一は、原材料の層を積み上げていく、第二の系統は、原材料を結合してモノを作る。なんらかの原材料に、レーザーを当てたり接着剤をつけたりする。熱や光で粉末や感光性ポリマーを固める(p112)

・レーザー加工ネットシェイピングでは、粉末状の素材を正確にガイドした高出力レーザー光に吹き付ける方法、この利点は、チタン・ステンレスなどの硬い素材で物体が作れるところにある、同時に二つ以上のノズルで粉末をレーザー光に吹き付けることが可能なので、合金をプリント可能、ヘッドの一に応じて変えることさえできるので、徐々に変化する合金がつくれる(p117)

・選択的結合プロセス(2つめの系統)には、光造形法(SL):感光性ポリマー利用、と、レーザー焼結法(LS):感光性ポリマーでなく粉末を利用、がある(p119)

・3DPの利点でとりわけ大きなもののひとつは、カラーでのプリントが可能、糊をつけるとき、色付きのインクの液滴も一緒にふきつければ、フルカラーの3Dモデルが作れる、糊をつけた青銅は、炉の中で焼結させなければ、固体にならない(p125)

・チーズのように、熱可塑性樹脂は温まると溶け、温めても内部組成は変わらないし何度も使える。一方、卵は熱硬化性ポリマーは温めると固まるが一度終わったら終わり、温めると内部組成が変わる(p134)

・デザインソフトは、ワープロソフトが文書をタイプする際の無駄な時間や紙を省くように、同じデザインをやりなおす面倒を軽減してくれる(p146)

・人間にまだ解けていない謎は、生体細胞に「スタート」ボタンが必要という事実、たとえ細胞を完璧な形の足場のなかでしかるべき場所に植え付けができても、その細胞をどうやって始動させるかは誰にもわかっていない(p186)

・ハンバーガーをフードプリントするのは難しくない、難しいのは、新鮮な食品・自然が作った食物を作る場合である(p221)

・フードプリンティングは、パソコンの初期を思い起こさせる、当初はくだらないものに見えたビデオゲームによって大勢の人が自分の家庭用コンピュータを買う気にさせられたころである(p248)

・3Dプリンタは、デザインや工学を学ぶ高校生に、より早く失敗させる、失敗が早いほど解決に至るのも早い(p258)

・3Dプリンティングとデザインのテクノロジーは、まずは小ロット生産をおこなう分野に商業的に食い込もうとしている、アクセサリー制作、高級な室内装飾、実験的なファッションデザイン(p286)

・製品の単位重量当たりで、3Dプリンタは射出成形機の10倍以上の電力を消費する、3Dプリントによる、ものづくりをそのままグローバルな規模に拡大するだけでは、決してグリーンなものではなくなる(p327)

・プリントジョブで残る金属粉末は、ほぼ100%再使用できるが、従来の製造プロセスで(研磨、機械加工、鋳造)は、原料の90%が無駄な副産物となる(p331)

・プラスチックを作るコストが安い理由のひとつは、自然環境から化石燃料を取り出すときに廃棄される副産物(ナフサ)から作られるため。プラスチックには、生物を特徴づける元素である、炭素と水素が大量に含まれている(p338)

・ジェームズ・ワットは蒸気機関の重要な要素であれこれと特許を取得したが、蒸気機関の発達史を見れば、ワットの特許が有効だった20年間は何の進展もなかった。特許の期限が切れると、蒸気機関が目覚ましい進歩を遂げて産業革命を起こした(p377)

・レップランププリンタは、従来の製品開発を揺るがす現代の形式として登場した、その特徴は、第一に、オープンソースのライセンスを用いて、プリンタの設計図をウェブで自由にシェアした、特許申請をしなかった、第二に、それ自体の交換部品を作れる。もう一台作りたければ、手元のレップラップで部品をプリントし、組み立てるだけで良い(p378)

・登録される現行の特許の大半はめったに商業的に利用されない、しかも裁判沙汰になるのは特許のわずか0.1%、その場合も半分は無効と判定されている(p389)

・デジタルには3つの意味がある、1)実体のない情報という意味で、物理的と対置される、2)電子的でプログラム可能、機械的と対置される、3)離散的で不連続な単位からなる意味で、アナログと対置される、デジタルコンピュータは、いずれも可能にする(p451)

・生命の構造は、アミノ酸という構成要素からなる。だから生物は自分で自分を修復できる。動物も植物も、互いを摂取し、生体材料を再利用できるのは、生体材料を再利用できるから。われわれがみな、22種の比較的少数の同じ構成要素のセットで作られているから(p453)

・AMFとは、ASTMインターナショナルとISOから発表された、3Dプリンティングの国際標準データ形式である、文書におけるPDF、音楽ファイルにおけるMP3、写真におけるJPEGである、この標準化により環境に依存せずにファイルをやりとりできることになる(p466)

・デジタルカメラの普及で、ウェブ上に大量の写真画像がアップロードされたように、3Dプリンタの普及とともに、大量の3Dデータが流通するだろう(p468)