・現在の東京は過去の成功体験の余熱で飯を食っている、状態である。この余熱はあと10年ほど続くかも知れず、著者は危惧している。現在の人口規模を前提とした東京モデルを意識の中から早急に捨て去ることが必要である(p27)
・オフィス空室率は、2回目の緊急事態宣言が出た2020年夏が転換点となり、急上昇。2021年12月時点で6.33%となった、空室率は5%が分水嶺とされている(p31)
・資格取得をしても自分の仕事につながらないケースが殆ど、資格は名刺に刷られる添え物に過ぎない、それよりも自分の専門領域を広げて学んでみるべき(p56)
・東京に人を送り出してきた地方の若年層が枯渇するので、2025年に東京都の人口がピークアウトを迎えて、それ以降は東京都は萎んでいく(p65)
・東京の鉄道会社は通勤通学定期券が収入のベースになっているが、すでに少子化と団塊世代の引退で先ぼそりの状況。現在は移行期なのでテレワークを導入しても定期券を支給し続ける企業が少なくないが、今後、在宅勤務者が主流になったら経営的には相当な痛手になるだろう(p89)
・東京圏では、16号線の外側になると不動産開発の勢いは全くなくなる、千葉県なら曽我駅から先、東京都なら八王子駅、神奈川県では金沢八景、埼玉県なら大宮の先となる。(p93)
・タワマンは建物なので老朽化と向き合わなければならない、築後15−20年になると大規模修繕が発生しこの修繕費が曲者、10階建てマンションに比べて3−4倍の修繕費がかかる、安めに設定するので積立金は築15年の最初の大規模修繕で使い切ってしまい、その後修繕積立金が上がり、管理費と合わせて5万円以上位なることがある(p97)
・東京圏に集まる人の受け皿を作るために郊外を開発し、マンションや一戸建てを造れば誰かが買うという繰り返しの中で、その街がどのように成長し、家族が入れ替わるかということは考えてこなかった、このようなモデルが続かないことにようやく気づくのが2030年頃だろう、それまでは止まらない。止まるのは売れないことが嫌というほどはっきりとわかってから(p105)
・日本の住宅市場は昔から新築が多く7割で推移してきた理由、日本人は綺麗好きだから新築だけに価値を置いてきたと説明されてきたが、本当の理由は、圧倒的に供給量が足りなかったから、新しい家を立てないと家そのものが不足していたから。マンションや建売を買うか、中古住宅を自分で選ぶかそれが定着するのが2030年頃になる(p106)
・2030年に高齢者となる世代は仕事一筋ではなく、集団よりも個々人で気の合った仲間とこだわりの趣味を楽しむことに長けている、SNSに慣れ親しんできた世代でもあり、仕事を離れても繋がり続ける手段をいくつも持っている。ある程度、暮らしにゆとりのある人たちを中心に、元気なうちに若い頃にやり残した趣味や活動に打ち込み、悔いなく生きようという価値観が広がるのではないか(p171)
・2030年を東京に限らず日本の分岐点として位置付けるべきである。2030年以降も高齢者は増え続ける、東京に食料やエネルギーを供給してきた地方では人口減少が顕著になる、これまで何とかやってきた古き成功モデルがどんどん通用しなくなり小手先の改革では意味をなさなくなるのが2030年代である、高齢者の人口がピークを迎える2040年代初頭こそ、日本にとって当面最大の正念場位なる(p173)