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世界2.0 メタバースの歩き方と創り方

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方の写真

・テクノロジーが浸透する順番にはある程度の法則性がある、新しいテクノロジーは基本的には「消費者」から使われ始めて、次に「企業」で活用されて、最終的には「行政」に組み込まれる(p19)個人に浸透し始めたあと3−5年遅れて企業で活用され始めて、そこから3−5年遅れて行政に導入される(p20)

・15歳以下の子供がどんな遊び方をしているかによって、その後に社会でどんなテクノロジーが普及してくるかを高い確率で予測することができる、例えば赤ちゃんや幼児には、テレビとYouTubeを明確に区別できない(p30)

・AIは DeepMindのAlphaGOが囲碁の世界チャンピオンに勝利したのがきっかけ、ブロックチェーンはビットコインの価格が暴騰して「億り人」が生まれたのがきっかけ、今回のメタバースはFacebookのMetaへの社名変更と1兆円投資がきっかけである(p33)

・メタバースは日本に圧倒的な「地の利」がある、それは日本が漫画・アニメ・ゲームなどの「コンテンツ大国」であるという利点である、ここまで日常的に漫画を読み、アニメに触れて、ゲームに課金するという国は世界的に見ても非常に珍しい(p50)

・世界を創造する能力を持つのは神様だけだったのに、ついにその能力を万人に向けて開放する、これがメタバースというイノベーションである。つまり、メタバースというのは世界を創造するという「神の民主化」である。技術的・学問的・宗教的にもメタバースが世界にもたらす変化は、革命という他にはないほどドラスティックなものになるはずである(p67)

・メタバースの本質は、インターネットが扱うコンテンツが二次元から三次元に進化すること、であってVRデバイスの普及が遅れたとしても間違いなく進む。またV Rデバイスが重い、使いづらいという課題も、慣れと技術革新によって克服できる可能性が高い(p74)

・メタバース革命とは単なるVR技術の革命ではない、1)コンピュータの性能、2)通信速度、3)3DCGの技術、という3つの進化が相まった、インターネットの三次元化の革命である(p77)

・一般的には人間の目が認識できる最大の角画素密度は60PPD(Pixel Per Degree、視野角1度当たりの解像度)と言われているが、現在最大70PPDを実現する技術が開発されている(p87)これは、VRゴーグルをつけても外しても世界の見え方が変わらないという不思議な現象を体験できるようになる(p88)

・GoogleやFacebookが、「ニュースやソーシャルメディアがIT産業の主戦場だ、たかがゲームが偉そうにするんじゃない」とゲームを過小評価しているうちに、EpicGamesは粛々とゲームを開発し、ゲームエンジンを磨きながら世界トップを押さえた、ゲームはCGの世界では、GoogleやFacebookはリスペクトの対象ではないし、彼らが使ったツールは使われない(p93)

・NFTとは、オンライン上の画像・動画・音声などのデジタルデータを現実世界のトレーディングカードやグッズのように売買したり流通させたりするための技術である、デジタル所有権と例えられることもある(p94)

・Web3はこれまでGAFAなどのプラットフォーマが中央集権的に支配していたデータの主導権をユーザーの手に戻し、非中央集権的・分散的なインターネットを実現していこうという流れを指している(p101)

・世界とは、視認できるビジュアルとしての「視空間」と、社会的な機能と役割を持つ「生態系」が融合したもの、具体的には、視空間とは、観光地・大自然・旅行に行ける場所を指し、生態系とは、国家・社会・共同体・家族・サークルなどのことである(p121)人間の目に映る視空間を要素分解すると、さらに「人間(アバター)」と「景色(フィールド)」の2つに分けられる(p122)

・人間は自分の知っている過去の経験と類似点を見出せない限り、作品の世界観を楽しんだり没入したりできない(p135)

・うまく回る生態系には3つの特徴がある、1)自律的、2)有機的、3)分散的である。自律的とは、外部からの指示でなく、まるで集団そのものに意思があるように動くことができる、有機的とは、そこに参加する各人が交流しながら全体を形作っている、分散的とは、司令塔は不要で指揮官がどこにいなくても全体が止まることなく動き続ける(p160)

・生態系の設計者の仕事、1)生産者と消費者のマッチング、2)信用情報の可視化、3)ルールとペナルティの策定、4)自助努力を促す仕組み(p178)

・人間の認識上の世界も、多種多様に広がっていき、平行で重なり合いながら無限に拡張する、複数の世界が並行していくつも生まれ、それぞれの世界に合わせて個人が複数の「人格」を使い分けていく、未来社会ではこうした振る舞いが一般的になるかもしれない(p206)

・人間は常にフロンティアを開発してきたが、今の人間に残されたフロンティアとは、宇宙空間と仮想空間、である(p215)

・その人の性格・個性・人格は、身体的な特徴と密接に結びついていて、かつそれらは暮らしている環境によって相対的に変化するものである可能性が高い(p221)

・これからは役に立つ、儲かるといった「実用的な価値」と、人々の共感を呼び込む「感情的な価値」、社会全体にとってプラスであるという「社会的価値」のバランスを取ることができる人間が活躍していく時代になる(p231)

・メタバースが生まれれば、あらゆる制約はなくなる、こういう時代には「自分はどんな人間になりたいか」「どういう存在でありたいか」というビジョンを強く持たなければなりません(p233)

・画家の世界の印象派とは、「絵の具のコモディティ化」によって巻き起こされた、チューブに入れて絵の具を持ち運ぶ技術が発明されて、一部の売れない画家たちが絵の具作りを専業とするようになっていく、絵の具はどんどん安価で手軽に手に入るものと変わっていき、世の中に普及する。結果的に戸外で絵の具を使ってその場で絵を完成させるという現在のスタイルが一般化して印象派の登場につながった(p235)今起きているメタバース革命もこれと似ている、3DCGの技術はちょっと前まで、ごく一部のエンジニアとクリエイターだけの占有物であったが、今では誰でも無料でソフトウェアを使える(p236)

・宗教、自由、国家、平等、貨幣、法律など、自然界には存在しない人間独自の架空の物語(虚構)を作り出し、それを全員で共有することで社会を進化させてきた、これを作り出す力が人類の繁栄の源泉である。生命や自然もアルゴリズムの塊に過ぎない、今後テクノロジーが発展していけば、AIなどのアルゴリズムに人々は生活の判断を委ねるようになり奴隷化していく、そしてアルゴリズムを使いこなす一部の人間は神のような存在となり、大半の人は彼らが作り出したアルゴリズムの奴隷になるだろう〜サピエンス全史を書いたハラリ氏の主張(p241)

・かつて「王」の上に「法」を置いたように、今度は「法」の上に「AI」や「アルゴリズム」を置くという新しい考え方が必要になってくる(p245)国家も膨大なデータを学習したコンピュータが作り出すあるゴリスムの回答を参考にしながら、議会が方針を決定していくようになるだろう(p246)

・王様や貴族は法が支配する民主政治のことを「愚かな民衆たちの意見を取り入れて政治をするなんてとんでもない、国の方向性を一番理解して正しく判断できるのは私たち特権階級だけだ」と言っていた、同様に「ただの機械に過ぎないAIの意見を取り入れて政治をするなんてとんでもない、人間のことを一番理解して正しく判断できるのは俺たち人間様だけだ」と現在は言っている、しかし100年後の未来の人たちには、この2つの態度は似たようなものに映っているかもしれない(p250)

・メタバースができれば、まるで自分がそこにいるかのように当時に戻ってスーパーリアルにタイムトラベルを楽しめる、メタバースに順応した人間の脳は、今まで眠っていた能力が開花してぐんと発達するだろう。40分前の空間に戻ろうと思った子供が当たり前のように40分前に戻って人生を生き直してみる、世界中の人々が過ごした人生の膨大な時間をメタバースで高速で追体験できる未来の人類は、現代人よりもはるかに賢くなっているはずである、過去のアーカイブを検索するように、3DCGの視覚情報空間をジャンプしまくりタイムトラベルをしまくる、こうなると人間の生き方は異次元のレベルで重層的になる、人生の価値観や思想も大きく変わっていくでしょう(p272)