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summary

トヨトミの野望

トヨトミの野望の写真

・中国は共産党の国家である、経済システムは市場経済への移行状態にあり、金融・為替政策・外資導入などは、党中央が最終的な判断を下す。それは地方政府においても同様で、主要なビジネスは全て共産党の管轄下にある。その意思決定に際しての情報収集および人脈形成は日本人には想像もつかないほどの重みを持つ。それゆえ中国全土に張り巡らされたパイプは今後のトヨトミのビジネスに測り知れない恩恵をもたらす(p105)

・とても中国に力を割く余裕はなかったとされているが、これは表向きの理由で、実は日本に残った幹部連中が、発展途上国とみなしていた中国市場を敬遠し、中国政府ごときが合弁生産の打診とは片腹痛い、とばかりに人員と資本の投下を拒否したのである(p175)代わりに中国政府が接触、事業化を推進したのがドイツのDF(VWを想定)であった、中国人は「最初の井戸を掘った人を忘れない、メンツを何より重視する中国の一つの顔である」トヨトミは決定的な失敗を犯した(p115)

・俺(トヨトミの社長)は絶対に無駄な投資はさせない、日本経済を牽引してきた家電や電機、エレクトロニクスなどの大規模メーカが衰退してきたのは、生温い自己満足の投資のせいである(p170)

・2009年の販売目標としてぶち上げた1000万台に生産体制は到達したものの、リーマンショックの悪影響が尾を引いて、車の需要は世界的に激減、生産体制を一気に拡大した分、そのダメージも大きかった。完全に裏目に出てしまい、創業以来の苦境に陥る、悪夢の始まりである(p382)

・なぜ2%の株式しか持たない豊富家が重要な人事権を保ち続け、27兆円の企業を支配しているのか。豊臣家が絶対的に尊敬されているわけでも、皆が無条件に従っているわけでもない。ここに出現するのは、サラリーマンの自己利益と組織利益の葛藤である、優秀なビジネスマンほど会社の利益を第一に考えるというのは実は大きな間違いで、まずは自分の利益を第一に考え、会社の利益は二の次である。欧米の会社組織はそのことを前提に制度設計が組まれており、ストックオプション(個人利益のためには企業業績を上げ株価を上昇させる必要がある)という仕掛けがある。豊臣家を担ぐことで利益になる社員、役員が豊臣家を担いでいる。会社の将来や競争力強化といった理念はなく、結果が出ていればどんな大勢でも肯定される(p511)

・リーダーのあるべき姿として多くの言葉(ビジョン・哲学・信念、人望・ネットワーク、人使いの巧みさ、度胸・勇気、迅速さ)が象徴されるが、これらの特徴を最初から合わせ持っている人は皆無だし、成功した経営者が全員素晴らしい人物評価を受けているわけではない、それでも共通することは「ビジョン・哲学・信念」である。どんなに部下から嫌われようが、専制君主と言われようが、まともなビジョンを持ち、生き方の哲学があり、信念を持ってそれを遂行する経営者のもとで社員は結束する、血筋・学歴は全く関係ない。信念を持っているかは、むしろその年限の生き方そのものに近い(p512)