・2020-2022の累積成長率において、ドイツよりも日本の低下が大きいのが目立つ、ドイツは戦争の当事国であるが、それよりも日本の落ち込みが大きいのが特筆すべき事実である(p21)
・日本の次に冴えないのがドイツ、イタリアである、この3カ国は原子力発電所の稼働を忌避し天然ガスを筆頭とする資源価格上昇の影響を被りやすいという共通点がある(p22)
・2012年以降、貿易黒字を稼げなくなったことが、その後に際立った円高・ドル安が起きていないことと無関係とはどうしても思えない(p29)
・2012年以降10年間の大きな変化といえば、日本から海外への直接投資が増えて、2021年末では約半分が直接投資残高となっている、それまでは証券投資残高(米国債、米国株)であった、これは日本企業の海外企業の買収の結果である(p35)直接投資の比率が増えたのは、縮小し続ける国内市場に投資するより、海外企業の買収や出資を通じて時間や市場を買う方が、中長期的な成長に繋がりやすいと判断した結果である(p40)
・2022年3月に見られた円安狂騒曲は、もともとあった円の需給構造変化が資源高で一段と可視化された上に、成長率や金利で出遅れ感が目立つ日本経済の状況も相まって円売り安心感が強まったことが背景にあるように思われる(p49)
・円安のメリット(財サービスの拡大、円建て輸出企業の収益増加・円建て所得収支の増大)よりも、デメリット(輸入コスト上昇による収益悪化)が大きくなっている(p51)
・円安が進んでいるのに、鉱物性燃料の輸入量を抑えるべく原発再稼働を求める声は大きくならなかった、円安を生かして観光目的の外国人受け入れの声も高まらなかった(p67)
・円安が進んでいるのに、鉱物性燃料の輸入量を抑えるべく原発再稼働を求める声は大きくならなかった、円安を生かして観光目的の外国人受け入れの声も高まらなかった(p67)訪日外国人のピークは2019年の1日8.8万人(p96)
・名目GDP成長率➖GDPでフレーたー=実質GDP成長率である、言い換えると「付加価値1単位を生産することにより得られる所得金額」の概念である(p102)デフレの原因は少々ラフに総括すれば「資源や円安主導のインフレ」ということになる(p108)
・2022年3月末で日本の家計金融資産は、2005兆円と、2000年3月末対比で600兆円増えているが、増分の半分以上は円建て現預金である、株式・出資金や10%前後で20年間以上ほとんど変わっていない(p115)為替にしても金利にしても、家計部門の抱える莫大な金融資産が貯蓄(保守的な運用)に回されているからこそ、日本経済の秩序が保たれている(p134)
・パンデミック下での日本で本当に懸念されるのは、自ら成長を放棄するような各種政策(過剰な防疫政策、タブー視される原発再稼働)が、ほぼ無批判に採用され、実行されていることだったように思う(p165)
・1990-2019年の30年間で(具体的には2012年頃)日本の貿易黒字はほぼ消滅したが、ドイツは3−4倍になっており世界最大の貿易黒字国となった、世界貿易におけるシェアも、中国16%、ドイツ10%に対して、日本は5%程度(p171)